「これでは長谷部が気の毒だ」ドイツ・ブンデスリーガ第22節 シャルケ04-ヴォルフスブルク

長谷部のインタビューなどから、マガト監督はほぼ戦術練習をやらず、しかも練習でさえ起用した事がないポジションをぶっつけでやらせる事が知られてしまっているわけだが、今回はものの見事にそれが裏目に出たというか、誰でも予想がつくだろうと突っ込まざるを得ない内容と結果になってしまった。
ヴォルフスブルクは4-3-3という3ボランチの形で、アンカーがラウルを見るような意図があったのかもしれないが、案の定中盤の連携がバラバラであちこちで選手のポジションがかぶりまくり、ボールキープ出来ないので3トップのサイドが中盤に下がって1トップのマンジュキッチが孤立し、全く攻撃の形というものが出来なかった。
しかも中盤でボールが保持できない癖に無駄にラインが高く、10分にセットプレイからあっさりラウルに決められて先制を許すと、その5分後にはノープレッシャーでトレシュのサイドが破られ、フクスからのクロスを余裕でフンテラールに決められてしまった。
その後、2~3度カウンターのような形からヴォルフスブルクが決定的なチャンスは作ったが点は決められず、長谷部はチーム全体への見せしめのような形で前半28分に下げられ、FWのシオを入れて一応攻撃的な姿勢にはしたようだが、後半開始早々にマティプのオシャレヒールを決められてしまい、その後も1点の追加では済んだが幾度と無く決定的なシーンを作られる始末で、ヴォルフスブルクは点差以上の完敗に終わった。
しかし、長谷部のように個人能力よりも頭で勝負している選手にとっては、こういうサッカーを監督にやられる事が一番堪えるだろうね。これで9位に居てるのが不思議なぐらいだけど、まあ思い切り割り引いて見れば、千尋の谷底にわが子を落として鍛えている効果が少しはあるのかもしれないけど、まかり間違って日本に呼んだら大失敗は確実な指導法だろうね(笑)。
ヴォルフスブルクがそんな状態だったので、久々に先発フル出場した内田の出来についてはあまりどうこうは言えないけど、序盤こそ1対1の対応で軽いところを見せて心配はしたが、相棒のファルファンとも息の合ったコンビプレイを見せ、時間とともに試合に入っていって、危なげない試合運びは見せていたように思う。
が、じゃあヘヴェデスやヘーガーからポジションを奪えるかというと、マッチョ志向が高いステフェンス監督にアイールするにはこの程度ではかなり厳しいと言わざるを得ない。攻撃面ではフクスの力強さは真似できないだろうから、まずは守備の部分、それに加えて得意のビルドアップでどこまで積み上げていけるかが今後の鍵になるだろう。