「ドルトムント首位奪取、バリオス復活弾」ドイツ・ブンデスリーガ第20節 ニュルンベルク-ボルシア・ドルトムント

リーグ再開後は、2戦連続の大勝で破竹の勢いを続けているドルトムントだが、この試合は3連勝を決めたとは言えかなりニュルンベルクに手こずる内容になった。
ブンデスリーガにしては珍しく、ニュルンベルクはドルトムントのサッカーをさせないように対策をして来て、まずビルドアップを一手に担っているフンメルスに常時FWがプレッシャーをかけてパスを出させず、逆にスボティッチのほうは放置して、あえて彼からパスを出させるようにしていた。
スボティッチはフンメルスほどスピードのある縦パスが出せないので、どうしてもロングボールやボランチへの緩めパスが増え、そこにニュルンベルクはマンマーク気味にプレッシャーをかける事でドルトムントのパスワークを寸断させることに成功していた。
特に前半はニュルンベルクの守備から攻撃への切り替えが早く、何度かセットプレイなどから決定的な場面を作られたものの、かろうじてゴールマウスの中で香川がクリアするなどドルトムントがニュルンベルクの猛攻を何とか耐え切った事が大きかった。
後半になると、ハイペースを続けていたニュルンベルクのプレスが少し弱まり、香川やライトナーがCBの位置まで下がってパスを組み立てることでニュルンベルクのマークを分散させ、同時に前半は相手に負けていたプレスを強めることでクロップ監督は試合を立てなおしてきた。
すると徐々に香川の中盤でのタッチなどからニュルンベルクDFラインの裏を突破する場面を作れるようになり、48分には怪我のベンターに代わって入ったライトナーのグラウンダーがビスチェクに渡り、折り返しをケールが決めてドルトムントが先制。
ニュルンベルクはここでエスヴァインとチャンドラーを投入、前線からの圧力を増やしてドルトムントを攻め立てようとするものの、80分に中盤を1人減らしてブニャクをトップに入れたところで、ドルトムントお得意のカウンターが炸裂、最後は香川がシュートして弾いたボールをバリオスが決めて、これで試合は勝負有り。
昨晩の試合でバイエルンがHSVに敗れたため、これでドルトムントは単独首位に浮上。序盤は非常に苦しんだドルトムントだったが、香川の復活と歩調を合わせるかのように調子を上げて来た。香川もこの試合では得点こそ出来なかったが、残留を決めたバリオスの得点は、昨シーズンの良いコンビを組んでいた香川にとっても自分の点以上に嬉しかった事だろう。
これでCLに勝ち残っていればと思うと残念だが、今後は選手層の厚みを上げたり、フンメルス頼みなビルドアップ能力を向上させ、来季こそは万全な状態でCLを戦えるようにして欲しいところである。