「ミリート4得点、ミッコリ3得点」イタリア・セリエA第21節 インテル-パレルモ

前節、レッチェに苦杯したインテルはホームで巻き返しと行きたかったところだが、パレルモと壮絶な打ち合いの結果、2度のリードを追いつかれて4-4のドローという何とも締まりの悪い結果になってしまった。
その最大の要因となったのは、イタリア北部を襲った大寒波。ジュゼッペ・メアッツァのピッチ上には雪が振り続いてピッチが凍結するという最悪のコンディション。
そのため、選手はツルツル滑りこそしないものの一歩目の踏ん張りが効かないようで、守護神ジュリオ・セーザルは寒さで凍りついていたのか反応が遅く、元から低いインテルのDFラインはほとんど上がれず、高い位置取りをしたい長友との間が空いてしまい、CBで先発したラノッキアがこれまた散々な出来で、ミッコリの1点目ではマークをあっさり振り切られ、2点目もクロスに対するポジショニングが中央に寄りすぎてミッコリに飛び込まれるなど、最近のサムエルの出来からすると酷い落差があった。
右のサネッティとマイコンのコンビも相変わらずのお疲れモードで、マイコンはたまに良いクロスを上げはするのだが戻りが遅くてサネッティが守備に忙殺され、オビが入って4-4-2になってからようやくサネッティが攻撃で目立つようにはなったが、いずれにせよベストからは程遠い出来であった。
そして前節に続いての先発となったスナイデルは、ピッチの中央部分に雪が積もっていたせいか、彼にしては珍しく左SHの位置でのプレイになったが、ボールを持つとやたらとサイドチェンジを狙いたがって長友をオトリに使うばかりでワンパターンな攻めに終始してしまった。
後半10分に長友のオーバーラップをポーリが使ってPKをゲットしたように、今のインテルだと大きく綺麗な展開にFWの選手が点で合わせるよりかは、長友やパッツィーニが上がってゴール前で選手がゴチャつく中でドサクサに紛れて押し込む方が得点になるんじゃないかと思ってしまうのだが・・・(笑)
長友については、監督から上がりを自重するようにとの指示があったようだが、前半こそポジショニングで迷いがあったようだが、後半は安定感のあるプレイと効果的なオーバーラップを見せ、採点6.5は引き分けという結果を考えればちょっと高いとは思うが、それでもこの試合のインテルの中では上位の働きぶりだった事は間違いない。
あと光明があるとすれば、ポーリがなかなか良いプレイを見せた事で、スナイデルが左に寄りすぎてポジショニングに苦労していたようだが、長友の上がりも素直に使ってくれるし、何よりご老体揃いのインテルにあってハードワークを厭わないプレイスタイルは非常に貴重である。まずまずの入りをした新加入のパロンボ共々、インテルの後半戦で鍵を握る存在になるのではないだろうか。