「ハーフナー・マイクのほろ苦いデビュー」オランダ・エールディビジ第18節 フィテッセ-NEC

オランダで最も熱いと言われるヘルダーラントダービーでデビューを果たしたハーフナー・マイクだったが、チームは下位のNECに対して何とホームで敗れるという苦渋の結果に終わり、マイクにとっては何とも残念なスタートになってしまった。
その原因は、とてもここまでリーグ6位の成績を挙げていたとは思えないほど、フィテッセのサッカーがチグハグだった事に尽きる。守備を厚くしたNECに対してビルドアップで揺さぶりをかける事が出来ず、チンタラと足元へのパスを繰り返した挙句にミスをしてカウンターを食らう。
安田も積極的に高いポジションを取ろうとしていたのだが、DFとボランチ間でのパス回しが遅くてSBの前にスペースが出来ず、たまにオーバーラップをする機会があっても、中の選手がもたもたとタッチしている間にスペースを塞がれてしまう有様で、えぐってクロスを上げる機会をほとんど作れなかった。
後半になって、ようやく選手の動きに連動性が生まれて、安田も中へ切れ込んでから良いクサビのボールやスペースへのパスを出せる機会は増えたものの、ペテルセン以外のFWが新戦力だったのもあってか前線のコンビネーションが感じられず、唯一と言っていい決定機もGKバボシュの好セーブにあって決められず。
そしてハーフナー・マイクが投入された直後の74分に、それまで度々ゴール前で競り負けて危ないシーンを作っていたセットプレイから、とうとうジョージにこぼれ球を押しこまれて失点。その後はマイクに対してひたすらロングボールを蹴り込む攻撃に終始し、高さで勝てるマイクがイーブンボールを作るものの、落とし場所への息が合わずに最後まで同点のチャンスを作れずに試合終了。
マイクについてはまあそんな感じとしても、久々に見た安田のプレイについては、正直言ってもうちょっと頑張って欲しかったかなと。
フィテッセの中ではテクニックやスピード的に頭ひとつ抜けているのだから、こういうダービーのような試合ではもっとエゴを出して積極的に仕掛けて行くぐらいでちょうどいいのではないかと思う。守備でも、相手に当たらず簡単にポストをさせてしまったり、同じサイドをオーバーラップしてゴール前に入った選手のマークを外したりと軽い部分が多かったので、そこもちょっと気になった。
ハーフナー・マイクがフィテッセに来たのでザックの見学機会が増えると喜ぶのはいいけれど、今後代表定着を狙うのであれば、NECレベルの相手ならしっかり守れないと厳しいのではないだろうか。