「関西対決は西宮に軍配」 高校選手権3回戦 近大附-市立西宮

残念ながら関西地区では高校選手権放送の枠がとても少なく、ようやくちゃんと見られたのが3回戦の関西勢同士という状態・・・
さてその近大附と市立西宮の試合は、3-4-3と4-4-2というフォーメーションの違いはあるが、両者ともにきっちりと中盤でパスをつないで展開するサッカーとあって、序盤からオープンな攻め合い状態となった。
試合の序盤は西宮が優勢で、パス連携と出足で近大を上回り、3バックの間に選手が飛び出して行く攻撃でゴール前に迫る。途中からは個人能力で上回る近大がサイドで数的優位を作って盛り返すものの、前半はなかなか互いに大きな決定機は生まれなかった。
後半になると、前半は孤立気味だった近大の3トップがクサビの働きをこなせるようになり、西宮はフィジカルの差でポストプレイを止められず、そこから中盤>サイドへと簡単に展開されてペースを近大に握られてしまう。
そして54分に、荒金のFKがゴール左上のコースに決まって近大附がとうとう先制点を奪う。終始列選だった西宮はこれで意気消沈するかと思われたのだが、ここから驚異的な反発力を見せ、一気にゴール前へと人数をかける猛攻で同点に追いついてしまう。
その後は中盤にスペースが出来て互いにゴール前での攻防が増えるものの、GKの攻守もあって最後まで得点は決まらず、PK戦も9人目までもつれ込む混戦で西宮がベスト8へと駒を進めた。
西宮は選手1人1人としては小粒ではあるのだが、それぞれの連携と運動量は眼を見張るものがあり、優勝候補だった青森山田を倒した準々決勝の大分相手でも、この試合での得点場面のような攻撃の勢いが見せられるようなら、国立の舞台にまで進む可能性は十分にあるだろう。