「世界一高額な練習試合」FIFAクラブワールドカップ準決勝 バルセロナ-アルサード

バルサが初登場した昨日のアルサードとの準決勝は、見ている人間が誰しもがブーイングを浴びせる凡戦になってしまった。
いくら天邪鬼の私でも、さすがに昨日の試合については、柏の試合が録画ミスで見られなかった分、期待してわざわざ情報を遮断していた努力を無駄にされた気がしてしまったよね(笑)。
別に試合への臨み方は悪くなかった。5バックでバルサの1トップに対しては常にマークを外さず、サイドに展開されたらSBがマークに入っても中には4人を揃えておき、中盤の4人で極めてコンパクトなゾーンを作ってバイタルのスペースを消すという作戦は、アジアのチームが天下のバルサに対して真面目に勝負を挑むには当然の策であったと言える。
そして、DFとGKの連携ミスによって失点してしまった点についても、百歩譲ってプレッシャーゆえの事だと思って良しとしよう。しかし、そこから試合終了まで、ひたすら攻撃の意思を見せずに試合開始と同じような引きこもりに終始してしまったのは情けない。
しかも、バルサの3点目を除けばどれもGKにとっては防ぐ可能性があった得点で、特に4点目の投げやりで足を適当に伸ばしたようなセービングについては、いくら勝ち目が無くなったとは言え、全世界が注目している試合でプロとして見せて良いプレイでは無かった。
これがもし柏だったら、日本の選手は良くも悪くも使命に忠実なので、失点した時点で負けてもいいから一矢報いるような結果をと思って攻撃に出るのだろうが、中東やアフリカンのメンタリティは我々にとっては理解し難いものがある。
バルサの方にしても、3点目を取って完全に勝負を決めてからは攻撃陣はほとんど歩いたままでプレイをしていたので、ビジャが骨折をしてしまったのは誤算だろうが、この試合での消耗はほとんど無く、地元高校生との練習試合をして決勝に臨めるような感じだったのではないだろうか。
まあ、これで予定調和的にサントスとの決勝になったわけだが、まだ完全に本気を出していない両チームがどういう内容を見せてくれるのかが楽しみである。と、その前に、バルサに対して最初から白旗を上げていたチームとは違うという事を、柏に見せてもらってからだけどね。