「世界4位でサントスに挑戦!」FIFAクラブワールドカップ準々決勝 柏レイソル-モンテレイ

初戦でオセアニアチャンピオンを下した柏は、中2日で北中米カリブ王者のモンテレイとの対戦。柏のスタメンは、茨田に替えて栗澤が先発になった以外は初戦と同じ布陣。
試合は、いきなりモンテレイがオセアニアとの違いをこれでもかと見せつける猛攻に出る。
モンテレイはきっちり柏を研究して来ており、柏の攻撃の中心であるレアンドロ・ドミンゲスに対してはサバラが密着マークしつつ常に2人がケアをして仕事させず、素早いチェックでボールを奪うと個々人のキープからデルガドらがサイドを突破し、15分にはスアソのシュートがポストを叩くなど、柏はひたすら防戦一方の展開を強いられる。
攻撃面でも、柏は相手の帰陣の速さに対してほとんどボールがつなげられず、レアンドロ・ドミンゲスもパスの出しどころを探してキョロキョロする有様で、密着マークに切れてイエローをもらうなど全くペースがつかめていなかったが、30分を過ぎるとようやく相手のプレスが弱まり、前半ロスタイムに柏が初めての決定的なチャンスを得るが、田中のクロスはバーを越えてしまってモノに出来ず。
後半になると、何故か一気にモンテレイの運動量が落ちて来て、スペースは埋めるがアタックには行かない守備になってしまい、柏が細かいパスをつなぐ展開が続く。
すると8分に、緩いパス回しからの縦へのクサビが混戦となり、ボールを拾った田中がドリブルで突っ込んでライン際からクロスを上げると、レアンドロ・ドミンゲスが倒れ込みながらのボレーをファーサイドに決めて劣勢だった柏が先制点を決める。が、その5分後には柏のラインが乱れたところを突いてデルガドが抜け出し、ファーサイドにいたスアソにクロスから決められて同点に追いつかれてしまう。
その後は両チームともに中盤が空いて互いにゴール前での場面が増えるのだが、チャンスの場面でも決定力を欠いて90分で決着が付かず延長へ。延長線では、前半は引き続き柏のペース、後半はややモンテレイが盛り返した展開にはなったが、やはり最後まで得点は決まらずにPK戦へ。
そこでヒーローになったのが、今大会何度も柏のピンチを救ってきた菅野で、1本目ペレスのPKを鋭くブロックすると、3本目のモンテレイGKオロスコのPKはポストに跳ね返る。柏は4人目田中がGKに弾かれてしまうが、5人目林が落ち着いて決め、苦しかった試合をモノにした。
これで柏は目標であった準決勝進出を果たし、名将ネルシーニョ監督との対決という事でブラジルからも注目されるサントス戦を迎える事となった。おそらく、柏にとっては過密日程の上に準々決勝で120分を戦った事で、内容的にも結果的にも非常に厳しい試合になるのは確かだろう。
試合のポイントとしては、やはりサントスのネイマールが左サイドでプレイする事が多いので、酒井とのマッチアップでどちらが優位に立てるか。と言っても、1対1では勝敗が明らかなので、レアンドロ・ドミンゲスも押し込まれる可能性は高い。となると、柏としてはいかに右サイドで基点を作れるかが重要になる。今大会は精彩を欠いているジョルジ・ワグネルの奮起に期待したい。