「欧州では運がないドルトムント」欧州CLグループF アーセナル-ボルシア・ドルトムント

既にニュースで結果を知ってしまってから見た試合だけど、改めてチャンピオンズリーグでのドルトムントは運が無いなと思わされる結末だった。
試合の序盤はドルトムントのペースで、最近の好調を反映してアーセナルの縦パスをカットしては香川を中心に前線が飛び出してパスをつなぎ、アーセナルゴールを脅かして行く。
ところが、24分に守備の要であるベンダーが相手の足を顎に受けて骨折し、28分にはゲッツェが足に違和感を覚えて交代してしまうと、そこから流れは一気にアーセナルへと傾いてしまう。
特にベンダーの不在は大きく、ライトナーは良い意味でも悪い意味でもあちこちにポジションを変えるために、残ったケールの周りにスペースが出来てしまい、そこにアーセナルの選手が入り込んでバイタルエリアでボールをつながれるようになってしまう。
それでも前半は何とか無失点で切り抜けたのだが、後半4分に右サイドをドリブルで突破するソングに、ドルトムントの選手が3人でかかったのだがあっさりと抜かれ、クロスに対してペリシッチがボールウォッチャーになってファン・ペルシを完全にフリーにしてしまい、ヘディングを決められてしまう。
ドルトムントはバリオスを入れて2トップにするが、右サイドでワンツーを仕掛ける香川には味方のパスが合わず、逆に反対サイドではペリシッチやグロスクロイツがボールを持ち過ぎてロストするなど、どうにもドルトムントの攻撃が咬み合わない。
それでもドルトムントはアーセナルの危険なカウンターをしのぎつつ1点差のままで攻め続けてはいたのだが、86分にセットプレイから頭で流されたボールがうまい具合にファン・ペルシの前に転がり、難なく2点目を決められてジ・エンド。ロスタイムにはPA内に走りこんでレヴァンドフスキのパスを受けた香川がゴールを決めたが、その瞬間に試合終了。
もう一方の試合ではオリンピアコスがマルセイユに勝利して、一応4点差以上をつけてホーム最終戦でマルセイユに勝利すれば勝ち抜けのチャンスは残ったが、よほどの奇跡が無ければ難しい事態に陥ってしまった。
スポティッチに加え、ベンダーまでも長期離脱を覚悟しないといけない状況では、下手にCLで勝ち抜くよりも来期のCL争いのためにリーグに集中したほうがいいとも言えるわけで、確かに運は無かったけれども、ドルトムントの選手層の薄さを痛感させられる今期のCLだったように思う。
香川自身の出来については悪くなかったとは思うが、この試合については周りがややブレーキで、さすがにアーセナルの最終ラインの個人能力は高いので、レヴァンドフスキとのコンビも得点シーン以外はあまり機能できているとは言えなかった。ゲッツェの出場が怪しい状況を考えると、ルールダービーの香川にかかる期待は非常に大きいものがあるだろうから、とりあえずは気持ちを切り替えて次に集中だね。