「特別な一戦だが、たかが一戦」ブラジルW杯アジア3次予選 グループC 北朝鮮-日本

タジキスタン戦のメンバーから6人もの選手を変えて来たスタメンを聞いた時、ザックは真剣試合であまり手を抜く采配はしない監督だと思っていただけに、ちょっと意外ではあった。
しかし、固い人工芝という怪我を抱えた選手にはきついピッチ、最終予選に持ち越す可能性があるイエローカード、絶対に全身全霊をこの1戦にかけて来る北朝鮮に対し、勝ち抜きが決まった日本という条件を考えると、ベストメンバーで何が何でも勝ちに行くリスクに対してリターンがあまりにも低く、消極的な対応をしてしまったのは仕方ないところなのかもしれない。
いくら長谷部キャプテンが心を整えても、どうしたって予選突破を決めた事での気の緩みが選手にあったと考えるのが当然で、そこをモチベーションの高いサブ選手の起用で乗りきれるかと思ったが、北朝鮮はそんなに甘い相手ではなかったというところか。
その北朝鮮だが、何故こんなサッカーが出来るのにウズベキスタンに2敗したのかが分からないぐらいに強く、やはり南アフリカW杯に出場しただけの実力はあると思った。90分間落ちない運動量はもちろんの事、この試合では高い位置に陣取ったWBに対して、DFラインから正確なサイドチェンジをビシビシと通し、サイドでの攻防で完全に日本を圧倒していた。
対する日本は、序盤こそ北朝鮮の攻撃をいなすようにパスをつなぐ事が出来ていたのだが、途中から北朝鮮が徹底したロングボール攻撃に出始めると、栗原が北朝鮮の10番にことごとく競り負け、PAの中で基点を作られてはセカンドボールを拾われる悪循環が続き、CBが下げさせられているにも関わらず、伊野波がサイドで早めに当たろうとし過ぎて逆に裏を取られ、どんどんリズムが悪化して行ってしまった。
まあ、アウェイウズベキスタン戦もそうだったが、体格ではアジアでも劣勢な部類に位置する日本の場合は、ボールに対する出足や運動量で優位なポジショニングを取れなければどうやっても球際で負けてしまいがちになるので、気持ちで受けに回った時点で苦戦になるのは当たり前である。
セルジオ越後氏がBSスカパーで終盤の3-4-3をしきりに叩いていたようだが、少なくとも4バックの時にSBがほとんど上がれず攻撃に絡めなかった時よりかは、狙いがはっきり出来ていたように思う。と言うか、今回の苦戦がフォーメーションとはほとんど関係ない部分にあるのは明白だと思うんだけどねえ・・・
そしてベトナム戦でも書いた事だが、欧州組、特にドイツでプレイする選手にとってはプレスといえばほとんどが1対1でのものであり、アジアのように数的優位を作って次から次へと人がたかって来るような守備は逆に経験しにくいもので、長谷部や細貝はそれでペースを作れなかった面が大きいように思う。今後、アジア予選を戦う上で案外ネックになって来る部分かもしれない。
そんな中で収穫をあえて見つけるとすれば、前田や清武といった前線の選手が、ボールが回ってきた回数からするとそこそこチャンスにつなげられていた事で、まだまだ本田や遠藤、香川に取って代われるとまでは行かないまでも少しずつは底上げにつながっているように思う。
逆にDF陣については今野以外は言い訳の仕様が無かったね。守備での1対1で勝てなかったことはもちろん、遠藤不在時はCBからのビルドアップが必須であり、今回もそういう場面が全く作れなかったのは寂しい限り。そろそろ、U-22以下の世代からのピックアップを検討しなければならない時期なのかもしれない。
最終戦のウズベキスタン戦は、タイミング的に欧州組の招集が難しくなるので、今度こそ国内組のサブ選手が意地と実力を見せてもらいたいものである。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする