「愚直サッカー炸裂」ドイツ・ブンデスリーガ第9節 シュツットガルト-ホッフェンハイム

互いにリーグ7位と8位というライバル同士の争いは、ホッフェンハイムが終始試合を優位に進めながらも、シュツットガルトが岡崎の先制点とPKで2点を奪って勝利を決めた。
シュツットガルトは前節と同じくカカウとポグレブニャクの2トップに、左岡崎右ハルニクという布陣。カカウとボグレブニャクは、彼らには悪いが例えるならば鈴木隆行と巻兄の2トップのようなもので、スピードやテクニックはさっぱりだが、ひたすら前線で体を張って守備をしっかりやる。そして岡崎とハルニクも走ることを厭わない、言わば愚直サッカーというべき泥臭いスタイルが定着してしまった。
このサッカーは、相手がボールを持っている時には、2トップもSHも守備に下がって布陣が自然とコンパクトになるメリットがあり、この試合でもホッフェンハイムが非常に高い位置から積極的にプレスをかけ、バベルやフィルミーノといったタレントがドリブルで仕掛けて何度もシュツットガルトのゴール前へと攻め込んだが、愚直に人数をかける守備で最後まで得点を与えなかった。
ただし、攻撃となると中盤のパスワークやらスペースを切り裂くといった華麗な場面はあまり無く、ボールを奪ったら個人が踏ん張ってプレッシャーに耐えてボールをつなぐのが精一杯で、何とか相手ゴール前までボールを運んだ時には守備に追いつかれてしまう事が多く、なかなか決定機は作らせてもらえなかった。
そんな展開で推移した前半のシュツットガルトだったが、後半開始早々にセットプレイにいち早く反応し、オフサイドギリギリで抜けだした岡崎が、トラップは外に流れてしまったものの体を反転させて無理やりシュートを放ち、これがGKの虚を突いて先制点をゲット。
岡崎の得点でホッフェンハイムに押されがちだったシュツットガルトに勢いが生まれ、しばらくは優位に試合を進めたものの、運動量が落ちてきたところで再びホッフェンハイムのペースになったかと思われたところで、ボグレブニャクがPA内でドリブルを仕掛けたところで足を引っ掛けられ、ややシミュレーション気味ではあったがこれがPK。
結局2-0で試合は終わって形の上ではシュツットガルトの完勝にはなったが、純粋なチーム力ではホッフェンハイムに比べてやや劣勢だったシュツットガルトにとってはラッキーな流れだったと言える。
これでシュツットガルトは勝ち点が16になり、何とドルトムントとブレーメンと並んで3位に浮上。まさかこのままCL入りをするとは思えないが(笑)、この調子が出ている愚直サッカーにとっては岡崎は欠かせないものであるのは確かで、不調の香川をカバーする日本の裏エースとして成長してもらうためにも、是非EL出場権ぐらいはゲットしてもらいたいところである。