「CLでもようやく再スタート」欧州CLグループB CSKAモスクワ-インテル

本来であればCLでの日本人対決として盛り上がるはずの試合だったが、本田は怪我で不在のため、CSKAはラブとドゥンビアの2トップに、ジャゴエフとオリセーの攻撃陣となり、インテルはフォルランがCLには出場できないために、ミリートとパッツィーニの2トップ、中盤はやや形を変えてカンビアッソの1ボランチにアルバレスのトップ下、オビとサネッティが左右に入る4-3-1-2というフォーメーション。
インテルは、試合開始早々にインテルのCKから相手が頭で後ろに逸らせてしまったボールを直接ルシオがゴールへ叩き込み、23分には中盤での良いカットから長友がサイドを駆け上がり、1対1での股抜きから最後はシュート性のクロスをパッツィーニが素晴らしい反応で合わせ、幸先良く2点を先取。
そこからはイタリアの性というべきか、2点を取ってからのインテルは急激にスピードダウンし、それ以降はDFラインは自陣のPA付近をウロウロするだけで積極的に押し上げる意識は皆無。1ボランチに入ったカンビアッソが常時DFラインに吸収されて、CSKAの攻撃をひたすら跳ね返すのみ。
しかし、CSKAのドゥンビア、オリセーといったスピードを持った選手に対して、ルシオ、サムエル、キブといったベテランが横の揺さぶりについて行けず、前半終了間際にFKをジャゴエフに直接決められて1点差に追いつかれると、77分にはラヴにルシオとサムエルがあっさりとゴール前で交わされ、ホームのCSKAがとうとう同点に追いつく。
が、そんな苦しい展開に思わぬ助けが出てくるのがラニエリ・インテルで、同点に追いつかれた直後にカンビアッソからのパス受けたサラテが胸トラップ一発で抜け出し、豪快なシュートをゴールに叩きこんでインテルがあっという間にリードを奪う。
その後はインテルがアルバレスに変えてジョナタンを投入、相変わらず圧されながらも最後までCSKAの攻撃を凌ぎ切っての勝利となった。
ホームでトラブゾンスポルに負けるという衝撃的な初戦になり、そこから一気にガスペリーニ解任への流れが加速したインテルだったが、2戦目のアウェイで勝ち点3を挙げてようやく再スタートという形になった。
とは言え、要所できっちり点を取った攻撃陣はともかく、リーグ戦から通じてルシオとサムエルの両CBにキレが乏しく、相手のアジリティに対してかろうじてファールや手を使って止めようという姿勢が目立ち、年令による衰えがあるのかもしれないが、CLはもちろん次週ナポリとのリーグでの大一番を控えて心配な状況である。
長友については、守備では相変わらず安定したパフォーマンスを発揮。他の選手が止められないドゥンビアの突破にさえ追いつく快速ぶりで、危なっかしかったインテルの守備陣を支え続けた。が、攻撃ではアシストをしたとは言え、ビルドアップやクロスの精度にはまだまだ課題があり、さすがにキブよりは先発の順列は上だろうが、復帰が近いマイコンを押しのけるぐらいになってもらわないとね。
でも伸び代がまだ大きいというのは見ている側にしても楽しみでもあるんだよね。この試合の最後の方は珍しく疲れていたっぽいし、内田が怪我で離脱した分、代表でも長友にかかる負担と期待は大きいが、きっと彼ならやってくれると信じている。