ユニバーシアード優勝に見る、大学サッカーの価値

最近は朗報ばかり続いてちょっと不安になってしまうぐらいの日本サッカーですが、昨日も大学生の世界大会であるユニバーシアードで男子サッカーが優勝したというニュースが入ってきました。
まあ、プロ以上に学生スポーツが盛り上がっているアメリカなんかは別にして、おおよそ世界的に見れば大学のサッカーはプロ選手へと向かうルートからは外れている場合が多いので、世界一になったからと言って大喜びするほどのものではないのですが、改めて大学サッカーが日本において重要な位置を占めている事を再認識させられますよね。
本来であれば、Jリーグユースがプロ選手育成の本筋となるべきなのですが、実際には決してそうなってはおらず、アジアカップのメンバーの23人のうち、何と21人が高校出身者で占められているのが現実です。
ユース・高校混成リーグである高円宮杯では、圧倒的にクラブユースの成績が高校を上回っているのですが、いざユースチームからJリーグに上がると、とたんに選手として伸び悩んでしまう弊害は以前から指摘されているところですよね。
その要因としては、全寮制を敷いて高校との連携を取っている広島ユースみたいなところを除けば、ユースではあまり教育に時間を費やすことが出来ず、自宅からクラブに通うためにハードスケジュールを強いられていたユース選手が、サブにはほとんど試合をする機会が無い、半日練習すればいいだけのプロ環境にいきなりポンと放り出されて緩んでしまうといった面があるようです。
特に日本人は欧米ほど若年層から自立教育をされているわけではないので、たかだか18歳そこそこでプロになってお金とヒマをもらって緩まないほうがおかしいですよね。と言うか、自分だったら絶対に落伍すると断言できます(笑)。
その点、大学は当然ながら学業との両立が求められますし、年齢的にも4年間である程度成熟するので、よほどプロ意識が最初から高い選手でなければ、プロを目指すにはちょうど良いタイミングになると言えるかもしれません。
ただ、あの長友が明治大学時代に応援で太鼓を叩いていたように(笑)、1・2年生はなかなか試合に出る機会に恵まれないマイナス面があるようですが、ユースからプロへの道筋がちゃんと機能できてない日本にあっては、大変貴重なセカンドコースで在り続けるのでしょう。