「遠藤の後継者は意外な場所に?」U-22国際親善試合 日本-エジプト(2-1)

さて、日韓戦の前座として行われた弟分の試合。結果はエジプトに対して2-1で勝利を飾ったのだが、こちらが見た順番としてはA代表戦の後だけに、U-22に足りないものがはっきり見えてしまった感じだ。
その一番の違いとしては、U-22のほうにはマイボールになった時になかなか3人目の動きが見られないところだろう。特に大きいのがボランチのクォリティで、A代表では遠藤や長谷部が早いタッチで縦横無尽にボールを散らすのに対し、こっちでは山口や山本がボールを持っても周りの動き出しがなく、中盤でボールを止めては横や後ろに仕方なく回す形が多く、テンポが非常に単調で遅かった。
おまけに、相変わらずのセットプレイから早々に失点を喫してしまい、日本にとっては嫌な流れになったのだが、それを断ち切ったのが怪我の原口に代わって招集された山田直輝だった。
山田は11分にエジプトのクリアミスをダイレクトで叩きこんで同点ゴールを決めると、30分にもトラップからの鋭いターンから、永井の飛び出しにロングスルーパスを合わせて逆転ゴールのアシストを決めてしまう。そういう記録に残るプレイ以外にも、A代表での香川のようにバイタルの狭いエリアでボールを受けて攻撃のアクセントを作り出していた。
ただ、山田がそういう動きをしてもそこに遠藤のようにパスをピシッと出せる選手がいないので、オーバーエイジに中村憲とかを入れざるを得ないかなあと漠然と思っていたのだが、実は山田直輝こそが遠藤の役割をすればいいんじゃないか、という考えをふと思いついた。
今はトップ下やクラブではウイングのポジションで使われてはいるが、運動量はあるし、何よりサッカー頭、試合を読むセンスが素晴らしい。山口や山本康裕も悪い選手じゃないんだけど、残念ながら遠藤のセンスを持ち合わせているかと言われると否定せざるを得ないからね。
もちろん、まだ守備力には課題がたくさんあるだろうけど、守備については遠藤も若いときはあまり褒められたものではなかったし、スキルや経験でカバー出来る能力なので、これから鍛えていけば十分モノになるのではないかと思う。
ザックも、遠藤の後継者として家長ボランチに変な期待をかけるよりも、山田直輝の線で一度考えてもらえないかなあ・・・(笑)。