「災い転じて福となす」J1第20節 名古屋グランパス-ジュビロ磐田(2-1)

ともに故松田選手にゆかりのある選手が多いチーム同士の対戦。試合前には、横浜自体の松田の背番号3が書かれたアンダーシャツを着て、田中隼が黙祷を捧げていた。
名古屋は楢崎とダニルソンという守りの中心を怪我で欠く苦しい布陣だったが、ダニルソンに代わって先発したブルザノビッチの守備力不足を、玉田やケネディ、小川の前線が良く下がってサポートし、サイドの活発な上がりにつなげてボールを支配する。
しかし先制したのはジュビロのほうで、19分にジウシーニョからのパスを受けた金園がトラップから反転してのシュートを決め、押されていたジュビロがワンチャンスをものにしてしまう。
ジュビロはリードしたとは言え、名古屋のワイドなサッカーにプレスのかけどころが定まらず、自然と引いてカウンターという狙いになってはいたのだが、やはりそうなると個人能力で勝る名古屋にチャンスを作られてしまい、玉田のFKやケネディの決定的なシュートもあったがGK川口が再三のスーパーセーブを見せて踏みとどまる。
が、攻め続ける名古屋は27分に、藤本からケネディとつないで最後はダイレクトにはたかれたボールに走りこんだ小川が、上側のネットに突き刺さる今シーズン初ゴールを決めて同点に。
後半になると、名古屋は前半に飛ばし過ぎたのか徐々に磐田がポゼッションする展開になり、現在売り出し中の山田を中心に攻め立てるが、今度は名古屋GK高木が踏ん張り、最終ラインの強さとで何とか粘って磐田に得点を許さない。
そして後半28分、後半途中から投入された永井が、ケネディとのワンツーでサイドを抜け出し、ここまでナイスセーブを連発していた川口のファーにボールを転がす技ありのシュートを決めて逆転、後は5バック状態になりながらも最後まで名古屋が守りきり、14戦無敗の6連勝を決め、暫定3位まで浮上した。
名古屋が欠場選手の穴を周りの選手がうまく補完していたのに対し、磐田は点につなげるフィニッシャーである前田の不在が響き、チャンス一歩手前まで進めながらもそこから先が遠かった。が、内容的には決して悲観するものではなく、好調は維持できているように思う。
ともかく、名古屋は怪我人の連発がここに来て効果を発揮し、サブメンバーでもしっかり結果を出せるようになって来たことは、これからのスケジュールを考えると大きなアドバンテージを有するようになったのではないか。来週の水曜日には、同じく1試合消化が少なくて4位のガンバとの直接対決があるが、ここで勝つようだと優勝も視野に入ってくるだろう。