「17歳とは思えない成熟」メキシコU-17ワールドカップ決勝 メキシコ-ウルグアイ(2-0)

昨日はツールが休日だったので、たまたま放送していたU-17の決勝を観戦。
後半ロスタイムのオーバーヘッドシュートでドイツ戦を劇的な勝利で飾った開催国メキシコと、日本が敗れたブラジルを3-0で一蹴したウルグアイとの対戦。U-17なのに10万人を収容するアステカスタジアムはほぼ満員というすごい状況。
そんなプレッシャーのかかる試合にも関わらず、両国の選手は非常に落ち着いており、確かにボールを止めて蹴るだけなら日本選手のほうが上かもしれないが、サイドでの1対1は積極的にドリブルで仕掛け、パスをもらう時にも相手のポジションを見てトラップの方向を変え、スクリーンしながら味方のフォローを待ったりと、Jリーガーでもなかなか出来ないような、大人びた個人スキルを全ての選手が持っているのに驚かされた。
試合の方は、ウルグアイが自陣にしっかりと鍵をかけてのカウンター狙いが徹底されており、メキシコはパスを回しながらも最後のシュートはなかなか撃たせてもらえず、逆にウルグアイは徐々にカウンターの流れが良くなってこれはウルグアイの得意なペースになるかと思われた。が、この試合のウルグアイはとことん運に見放されてしまっていた。
25分にスピードと高さで前線の基点になっていた1トップのアギーレが負傷退場し、その直後にメキシコのミスから3対2の大チャンスをもらったが、最後のシュートが枠を捉えられず、31分にセットプレイからの崩れで頭で折り返されたボールをブリセーニョに押し込まれて逆に先制点を奪われてしまう。
そこからは、フィジカルで勝るウルグアイがゴリゴリのドリブル勝負を仕掛け始め、それに対してメキシコは1対1でなかなか止められず、ゴール前の混戦からこぼれ球を拾ったシュートや、クロスで竸ったボールをフリーで打つ決定的な場面を作るのだが、どちらもやはりポストに当たって得点には至らず。
そしてロスタイムにカウンターから2点目を喫し、ウルグアイはこれで万事休す。10万人の観客による大歓声と揺れでカメラがブレまくる中、開催国のメキシコが見事優勝でスタジアムを歓喜一色に染め上げた。
ウルグアイの3本のポストに当たったシュートのうち、1本でも決まっていたら試合は全く分からなかったはずだが、これもサッカーである。ウルグアイは負けたとは言え、前線のスピードと体格はU-17のレベルを超越しており、ロンドン五輪でも活躍する選手が出てくるかもしれない。
日本の選手が、この年代で彼ら並みの成熟やスキルを身につけるのはそう簡単な話ではないと思うが、1対1なら積極的にドリブルやフェイントを仕掛け、とにかく前へと突き進もうとする積極性は、是非とも見習って欲しいと思うのである。