「問題点はU-17と同じ」ドイツ女子W杯 グループB 日本-イングランド(0-2)

今まで上手く行っていた日本のパスサッカーが研究され、フィジカルとプレッシャーで機能不全に陥らせたという意味では、U-17ブラジル戦と同じようなパターンでやられてしまった試合だったと言える。
U-17は、そこにピッチコンディションの不良というファクターが加わってしまったのに対し、日本女子のほうは審判の判定が日本に対してのさらなる逆境になった。
もともと、女子サッカーのタックルが男子に比べると厳しくないというのもあってか、女子の審判はボディのフィジカルコンタクトに対して寛容で、特にこの試合では日本の選手がイングランドの選手に押し倒されてもほとんどファールに取ってもらえなかった。
そのため、いつもであれば永里のしなやかなポストプレイから攻撃を組み立てていたのが、肝心の永里がイングランドの厳しいマークによってほぼ潰されてしまっていたので、中盤をすっ飛ばしたロングボール攻撃に偏ってしまっていた。が、もちろんイングランドの高さに勝てる選手や、ロングボールに追いつく絶対的なスピードを持った選手は日本におらず、前半はチャンスにつながる事すら出来なかった。
後半は、イングランドの中盤に出来たスペースを使い、日本がバイタルでパスをつなぐ攻撃からチャンスを作ったが得点にはつながらず、逆に後半の21分に、1点目と同様にGK海堀の飛び出しミスでダメ押し点を食らってしまった。GKの身長や身体能力は男女限らず日本の弱点ではあるのだが、こういうミスまで犯してしまうとさすがに厳しいよね。
日本は3戦とも同じスタメンでの試合になったが、2戦目は大活躍した澤、大野といったベテランが精彩を欠き、やはり今の布陣のままではコンディション面で連戦は厳しくなるという課題を露呈してしまった。おそらくドイツ戦でも永里の1トップでは機能しないだろうし、ここはスピードを持った岩渕を1トップにでもして、前半のうちに混乱から先制点を奪うようなバクチでもしない限り、日本の劣勢は覆しようがないと思ってしまうのだが・・・さて。