ツール・ド・フランス2011第4ステージ

フランス・ブルターニュ地方を走る第4ステージは、最後に「ブルターニュのラルプデュエズ」とも呼ばれるミュール・ド・ブルターニュ(ブルターニュの壁)という、長さ2kmで平均勾配6.9%の坂を上がってのゴール。
レースはいつも通りに逃げグループがリードする展開になりましたが、坂のスケールは山岳というほどじゃないが、確実にゴール地点では総合争いで何秒かの差がつく可能性が高いコースなので、メイン集団は緊張感を保ってそれほど大きな時間差を空けず、最後の坂までにきっちり逃げを吸収していよいよ勝負。
アルデンヌ・クラシックを思わせるようなステージだけに、キング・オブ・アルデンヌの異名を持つジルベールが動くかと思われたのですが、ヒンカピーの強力な引きから最初に動いたのは意外にも総合争いで一歩遅れをとっているコンタドールで、彼にしては珍しく苦しそうに顔を歪めてのスプリント。
一旦はジルベールや各チームのエース連中が追いついたのですが、再度コンタドールがアタックするとそれについて行けたのはエヴァンスのみで、ジルベールは意外にも彼らをキャッチアップできずに後ろを追うだけで、第1ステージで見せた強さが全く見られませんでした。
コンタドールを抜いて先頭に立ったエヴァンスは、ゴール前で差し返そうとするコンタドールをわずかに退けて先頭でゴール。彼らのライバルであるアンディ・シュレックは結局8秒遅れでのゴールとなり、総合争いにわずかな動きが出ました。
それにしても、総合でのタイム差を少しでも詰めたいコンタドールがアタックするのは分かるのですが、ステージ勝利に対してあそこまで執念を見せるとはちょっと驚きでしたね。優勝への自信が無いのでステージを1つでも取りたかったのか、チャンピオンとしてのプライドを見せようとしたのかは分かりませんが、アタック時の苦しそうな顔を見ると、少なくとも今の彼に余裕が無い事は見て取れます。ま、三味線の可能性はゼロではありませんがね・・・(笑)
ただし、グランツールは3週間という長い期間での総合タイムで争うレースなので、その間にも各選手の体調やメンタルは上下しますし、今不調の選手が勝負の後半戦で突然よみがえる事も珍しくはありません。今のところはエヴァンス率いるBMCの好調さが際立ってますが、まだまだ予断は許さない展開が続くでしょう。
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