「ベテランの復活」ドイツ女子W杯 グループB 日本-メキシコ(4-0)

この試合で戦評を辛口に書くのはさすがに難しいよね・・・(笑) 4点目の澤のゴールなんてどこのバルサ?と言うぐらいに崩しが美しかったしなあ。
とは言え、日本に先制点が入るまでは1トップのドミンゲスを中心としたメキシコのスピードに手を焼く場面が多かった。が、日本は攻撃から守備への切り替えでメキシコを上回り、メキシコの選手が常に日本選手2~3人に囲まれて孤立したプレイを強いられた事で、試合の流れが確実に日本へ傾いて行った。
もちろん、その中心となっていたのはキャプテン澤で、初戦ではいまいち精細を欠いたプレイが多くて心配されたのだが、この試合ではパス精度こそ絶好調と言えるレベルには無かったが、ピッチを縦横無尽に駆けまわって守備のサポートを惜しまず、そして言うまでもないハットトリックの素晴らしい決定力を見せつけて文句なしのWOMとして君臨した。
澤と同じく初戦はさっぱりだった大野も、PA内にパスを受けて中へ切れ込むと見せて、アウトサイドでコースを変える見事なボディバランスからシュートを決め、宮間も正確なパスとセットプレイで日本の攻撃を牽引し、まだまだ日本にはベテランの力が必要であることを証明した。
あと、あまり目立ちはしないがこのチームの屋台骨になっているのが永里のポストプレイで、単にボールをキープして後ろに返すだけではなくて、ボールを受けた後に素早く体を反転し、縦へのスピードを落とさずに中盤の攻撃参加へとボールを繋げられることが、今大会での日本の強さを支えているのは間違いない。
ただ、まだ岩渕をどうチームの中で使って行くかがはっきりしていないようで、この試合では途中から澤と並んだ1トップ下のポジションでプレイしたが、澤のゴールに繋がるパスを出したとは言え得意のドリブルは最後まで見ることが出来なかった。個人的には、宮市のようにウイングの位置で張らせて1対1で仕掛けて行ってもらいたいところだけど、戦術や人間関係的に特別扱いは難しいのかもしれない。
これで日本はグループリーグ突破を決めたのだが、もう1試合でイングランドが勝ったために、1位通過をするためには最終戦で引き分け以上の結果を出す必要がある。
対戦相手については、グループAでドイツとフランスが勝ち点6で並び、直接対決で1位と2位が決まるので、日本は最終戦の結果で相手を選ぶことが出来ない状況だ。とは言え、開催国のドイツが勝ち抜けの決まったグループリーグとは言え手を抜くことは無いだろうから、日本としても1位通過をしてフランスと当たる可能性に賭けておきたいところではある。