「決勝トーナメントへ大きく前進」U-17ワールドカップ グループB 日本-フランス(1-1)

日本の決勝トーナメント進出に向けての正念場である、第2戦目フランス戦。
優勝候補のフランスは試合を一気に決めるべく最初から猛攻を仕掛ける・・・かと思ったら全然前に出てこず、自陣でまったりゾーンを引いて明らかに省エネモードで拍子抜けなスタート。
日本は、相変わらず小気味良いグラウンダーのパスをピシピシ通し、バイタルエリアの狭いスペースでもボールを受けられるのはいいのだけど、そこから個人で仕掛けたりサイドの上がりを使ったりというアクセントが全く無く、後ろや横にボールを返したり無理なスルーパスを狙ったりで、せっかくのバイタル侵入がさっぱり攻撃の役に立っていない。
ただ、ボールを奪われてもフランスはあまり人数をかけてのカウンターを仕掛けては来ず、今回の日本には珍しく高さのあるCBがいるのでハイボールは跳ね返し、グラウンダーには前でボールをカットしたり、ボールを持たれても2人で挟みこむ守備が機能して決定的なピンチまでは作らせない。
そのうち日本も打つ手が無くなってしまったのか選手の動きが鈍くなり、パスコースが無くなってアバウトなクリアやミスパスが増え、相手のドリブルへの対応が遅れるようになって嫌な展開だなと思ったら、24分にゴール前で基点を作られ、後ろから上がってきたヤイジャンに対する早川のカバーが遅れ、狙いすましたシュートを決められてしまう。
さっぱり点が入る気配が無かった日本だが、後半開始早々にPA内にドリブルで侵入した石毛が倒され、これは流されるかと思ったら主審はペナルティスポットを指差し、日本はラッキーなPKをゲットして同点に。
これで勢いが出てきた日本は、ようやくサイドを基点とした攻撃を形作れるようになり、サイドでの武蔵の股抜きから石毛のシュートや、南野の抜け出しなど2~3度決定機を作るが得点にはつながらず、後半30分を過ぎるとどちらも引き分けでいいかという空気が流れ始め、後は互いにダラダラとボールをキープし合うイタリア仕事で終了。
今まで、トルシエ時代のハッサン2世国王杯での対戦を除けば、全年代であまりフランスに良い結果を出せた記憶がないので、相手がやる気なしモードとは言え引き分けは喜ぶべきなのだろうが、彼らのパス&トラップ技術に、サイドチェンジやフィード、シュート能力が加われば十分勝てた試合だよなあとつい思ってしまう(笑)。その辺は筋力がこれから付けば解消されるのかもしれないが、スペインになれるようにうまく育ててもらいたいよね。
さて、日本はこれでトータル勝ち点4となり、おそらくアルゼンチンに負けても3位グループでの上位に来ることは間違いなく、決勝トーナメント進出の可能性は非常に高くなったと言える。が、3位通過だと1回戦はグループ首位のチームが相手になり、2位だとグループFの2位との対戦になるので、是非次のアルゼンチンに引き分け以上の結果を期待したい。