「勝っても決勝トーナメントには黄信号」U-17ワールドカップ グループB 日本-ジャマイカ(1-0)

いつも世界の舞台では、初戦は慣れないピッチと相手のフィジカルに足がすくんで実力の3割も出せない事が多い日本にしては、珍しく幸先良く勝利でスタートすることが出来た。
日本のフォーメーションは形の上では4-3-3なのだが、DFラインがボールを持つと逆三角形の中盤、アンカーの選手がパス回しに参加し、CBのどちらかが最終的に中盤のサイドへとパスを出し、そこから1トップの選手が下がって中盤とのパスワークに絡みつつ、ウイングの選手が縦に上がって中盤からの縦パスを受けるという、バルサ風味の攻撃になるのが特徴的である。
こういうサッカーでは、まずミス無くきちんとパスをつなげる事が重要になるのだが、このチームは各選手のボールを止めて蹴る能力が非常に高くてグランダーのパスをビシビシと通してワントラップで前を向けるのには驚かされた。
それ以前の世代では、監督の問題も大きかったのだろうが、無責任な緩い横パスやバックパスで簡単に相手にボールを奪われるようなミスが多かったのだが、このチームは相手のプレッシャーを受けてのバックパスこそ多いが、ちゃんと味方に強い調子で返しているので、相手の攻め上がりを許す前に中盤へとボールを戻すことが出来ている。
とは言え、前半の中頃のように相手全体に攻めこまれてしまうとクリアもバタバタするし、グラウンダーはいいけどサイドチェンジとSBの攻め上がりの連携がまだ全然出来ておらず、ボールは支配するけど攻撃は縦パスのみで単調になり、前日に見たU-22に比べるのは酷だろうが、チーム的にも選手の能力的にもまだちゃんと出来上がってないなという印象を受けた。
後半になると、日本はウイングが開いたポジションを取り始め、それでジャマイカの守備陣を外に開かせることで日本も中に選手が入れるようになり、56分に交代で入った松本がゴール前へと抜け出し、GKを冷静に抜いて日本はようやく先制点をゲット。
その後も、奇しくも対戦相手のジャマイカ人とのハーフである鈴木武蔵のサイド突破から何度もチャンスは作るのだが、パワーとスピードは凄いが肝心の決定力がなくて追加点は決められず、終盤は相手の攻撃に慌てる場面もあったが何とか守り切って終わった。
U-17ワールドカップは、グループ3位でも各8グループのうち上位4チームが決勝トーナメントに残れるレギュレーションだけに、初戦で勝ち点3を取れた事は非常に大きい。が、もう1試合ではフランスがアルゼンチンに対して3-0と圧勝しており、グループ3位内で得失点差で争うことを考えれば、いかに2戦目のフランスから失点を防ぐかがポイントになって来る。もしそこで4点差以上の差をつけられてしまうと、勝ち抜けにはアルゼンチン戦での勝利が必要な状況になってしまう可能性があり、負けるにしても最低限2点差以内には押さえておきたいところだ。
まあ、このチームはCBの高さはそれなりにあるし、選手も1対1で弱いとは言えまだスライディングなどで体を張れているので、今までのユースのような無様な守備にはならないとは思うが、押し込まれてどれだけポゼッションをキープできるかについては、ジャマイカ戦を見ても不安は多い。まずは前半を無失点で折り返して、自信を持った状態で後半勝負に行きたいところだ。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする