「今回は神様が味方してくれた」J1第7節 川崎フロンターレ-ベガルタ仙台(1-2)

最も大きな被害を受けたクラブである仙台が、震災後初めて公式戦を戦うとあって、今節のJリーグで最も注目を浴びた試合。もちろん、私も結果は既に知ってはいたのだが、後半28分までは全く仙台に点が入る気配が無かった。
この日の等々力はかなりの雨と強風で、選手はボールコントロールもままならずで互いになかなかビッグチャンスまで持ち込めない展開。
序盤こそ、仙台がコンパクトなゾーンを低めに引いてカウンターから何度か形を作り出していたが、川崎が前線からのプレスを強化し始めると、仙台の中盤にミスが多くなってDFラインがあまり上げられなくなり、1トップの赤嶺は完全に孤立して仙台は前にほとんどボールを運べない状態になる。
川崎の相馬監督が目指すサッカーはかなりはっきりしており、中盤で奪ったボールをとにかく素早くサイドに展開、さらにそこからもあまり手数をかけずに相手の守備陣が揃う前に攻めきる狙いが見られ、それが徐々にかみ合って来た前半38分に山瀬のクロスから田中裕が決めて、内容からすると順当な先制点を挙げた。
後半も川崎のペースはずっと変わらず、35分前後には仙台を自陣に張り付かせてセカンドボールを拾いまくっての波状攻撃を仕掛けたが、川崎はいまいち前線での決め手にかけて2点目奪取はならず、それが川崎の運命を決めてしまった。
仙台は38分に、PA前でパスを回して太田が倒れながら苦し紛れのシュートを放つと、これが相手の足に当たってコースが代わって得点、これで俄然出足が良くなった仙台が反撃を開始、42分に梁のCKを鎌田が頭で合わせたボールがゴール隅に飛び込み、仙台は劇的な逆転ゴールを挙げ、そのままタイムアップ。
大震災と津波では、神様は東北を助けてはくれなかったが、今回だけはサッカーの神様が仙台に味方してくれたとしか思えない、本当に劇的な勝利だった。とは言え、内容的にはあまり褒められたものではなく、来年もJ1に留まって被災地を励まし続けるためには、もっと前線と中盤でDFラインを助けられるポゼッションが出来る形を整える必要があるだろう。
川崎はもちろん優しさを見せたわけではないだろうが、前半の先制点から仙台を突き放せる時間帯やチャンスがたくさんあったのに、結局それを決めきれなかった事が敗因になってしまった。後半途中からサイドの飛び出しに勢いが無くなっていたし、形にこだわると中村憲のクリエイティビティが生かせなくなるしで、まだまだ細部を詰める余地は大きそうだ。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする