「宮市のプレイに元気をもらう」オランダ・エールディビジ第27節 フェイエノールト-NACブレダ(2-1)

スカパーで今節からフェイエノールト戦の中継が始まったので早速テレビ観戦。フェイエの選手は腕に喪章をつけており、日本に対する哀悼の意を表してくれている。
宮市はもちろん先発で、テレビには早速抜かれるしチームもボールを奪ったらまず宮市にパスを出す狙いが最初から見られ、すっかりチームの中心選手になってしまっている様子。だが、もう他のチームには宮市の危険性は知れ渡っているようで、NACもしっかりSBが宮市から目を離さずきっちりマークしていてパスがなかなか通らない。
そうなると、やはりチームも宮市偏重からシフトせざるを得ず、サイドチェンジを交えて右サイドから攻撃の組み立てが始まり、押し気味に進めていた29分にフェイエが高い位置でボールを奪い、最後はカステニョスが落ち着いてGKの股を狙ったシュートで先制点を挙げる。
しかしフェイエの勢いは長続きしない。フェイエの各選手はボールを持つと必ずドリブルしてからパスを出すので1対1で厳しく対応されるとどうしても手詰まりになり、パスワークだけならNACのほうがはるかに機能しているので、相手に前から来られると簡単に劣勢に立たされてしまうのが現状。
それでも最後の部分で何とかNACの攻撃を防いでいたのだが、58分に何でもないミドルをGKファン・ダイクが後逸してしまうミスを犯し、同点ゴールを許してしまう。
65分にフェイエがカブラルを投入すると宮市は右ウイングにシフト。しかし両足が使える宮市は右でも何度か鋭い突破を見せ、カウンターから2人をサイドでぶち抜く場面を作るなど、数多くのチャンスを作るがなかなか最後が決めきれない。が、ようやく87分にCKから目の前に落ちてきたボールをデ・フライがゴールへ押しこみ、フェイエノールトが6戦連続で勝ち星をゲットした。
宮市は終始サイドに張りっぱなしな上に、ポストプレイはフラフラして不安定で、まだまだゲームから消えている時間が多い。代表へ、という声もあるが全員攻撃全員守備が必要なパス主体のチームではまだ役には立たないだろう。それでも最初に比べるとDFラインの裏へと飛び出す動きが見られるようになったし、守備意識も徐々に向上している様子。
しかし何よりも、スピードに乗れば必ず相手をぶち抜くという期待はデ・カイプの観客を魅了しているようで、宮市がボールを持つとそれだけで歓声が起こるのは凄いというしか無い。是非地上波テレビでも映像を出してもらって、彼の活躍が一人でも多くの人の目に触れ、元気を与えるきっかけになる事を願いたい。