「フワンフワンのウズベキスタン」アジアカップ2011 準決勝 ウズベキスタン-オーストラリア(0-6)

さて、決勝の相手となったオーストラリアが、ウズベキスタンにどんな内容で圧勝したのかと思って録画を見ようとしたら、香川が足指を骨折したというニュースが飛び込んできてしまった・・・
オージー相手にこそ、香川のバイタルエリアで前を向けるプレイが生きるはずだと思っていたので決勝を前にしての離脱は極めて残念だけど、あえて前向きに考えて見れば、香川はここまで1年間ほぼ休み無しに働いていた状態で、ドイツでも毎試合スタメンの後に日本代表で10番を任されと、心身ともにストレスの限界に来ていただろうし、ここらで一度ゆっくり休むのは香川の将来にとって悪い事では無いと思っておこう。彼にとっても我々にとってもアジアカップやドルトムントが全てじゃないしね。クラブ側は憤懣やるかたないだろうけど(苦笑)。
と、気をとりなおして試合のほうを見てみたが、とにかくウズベキスタンはオーストラリア相手では絶対にやってはいけない試合の入り方をしてしまったなと。
試合前にウズベキスタンの監督は、我々にも勝つチャンスは十分あると語っていたが、その妙な自信がチーム全体に伝搬してしまったいたようで、開始わずか5分にボディコンタクトのセルフジャッジで足を止めてしまったところで前線への飛び出しにパスを通され、クロスに対して人が揃っていたにも関わらず、ファーにいたキューウェルをどフリーにしてしまって失点、そしてセットプレイでもボールに4人が集まってしまってこぼれ球に反応したオグネノブスキがまたどフリー。
そこからはウズベキスタンもまずまずの試合運びを見せたのだが、後半20分にカウンターからあっさりサイドをマッカイに破られ、カーニーがオーバーラップから3点目を決めてしまう。これでウズベキスタンは気持ちが切れてしまったのか、FWのバカーエフがつまらないアフタータックルで2枚目のイエロー。後はオージーのやりたい放題で終わってみれば6-0の大勝。
ぶっちゃけ、この試合だけを見てもオーストラリアの強さは測りかねるのが正直なところだが、やはり守備のポイントとしてはセットプレイの高さに気をつける事と、左サイドのオーバーラップを封じる事が肝要であるように思う。
そして攻撃面では、4-4のコンパクトなゾーンを堅く作ってくる守備をいかにしてこじ開けるかという点に尽きるだろう。4-4ゾーンの攻略としては、バイタルで前を向けるポイント作りが重要で、そこにボールが入るとCBの1人が前に出てこざるを得ず、それで出来たスペースに前線の選手が入り込んで行けば必ず守備に穴は開く。そういう意味で香川がいなくなった事は非常に痛いが、柏木が見せたシンプルなパス回しで、前線との縦のワンタッチパス交換が出来れば、オーストラリアのポジショニングを混乱させることはそう難しくないと思う。
香川がいてもいなくても、オーストラリアは必ず打ち破らなければならないライバルなのは確かなので、香川がいないから負けたと揶揄されないように、残った選手には奮起をお願いしたいところである。