「これぞオジナチオ」アジアカップ2011 準々決勝 オーストラリア-イラク(1-0)

心情的には未だ国内のテロに苦しむイラクに勝ってもらいたかったのだけれど、このアジアカップではここまでひたすら固い試合を見せてきたオーストラリアが、延長前半にキューウェルのヘディングで得点を決め、それを最後まで守りきっての勝利を挙げた。
それでも一応、試合の前半はオーストラリアのペースで、右サイドのマッケイの飛び出しにパスを合わせて2度ほどチャンスを作り出すがこの試合はイラクのGKの出来も良くて点を決められず。イラクも素早い寄せからオーストラリアのボールを奪うのだが、オージーのフィジカルを生かしたリーチと高さの前になかなかチャンスが作れず、前半はシュート1本のみで終わった。
後半に入って互いに疲労が出始めると、オーストラリアはマッケイの出番が無くなってとにかくケーヒルとキューウェルの2トップにロングボールやアーリークロスを放り込む攻撃パターンに終始。クリエイティビティは全く無いのだがアジア相手なら高さだけで決定的なチャンスを作れてしまうのだから腹が立つ(笑)。
しかしイラクも5番アクラムのゲームメイクからサイドを中心に鋭い攻撃を見せるようになり、DFラインの裏へと抜けだしてGKと1対1になる決定機を作ったのだが、シュウォーツァーも反応できなかったシュートはわずかに枠を外れてしまい残念ながら得点ならず。
延長に入るとさらにイラクがオーストラリアを攻めにかかるが、やはりそういう時に限って逆の運命が待ち受けているもので、前半12分にイラクが前がかりになって後ろの人数とマークが足りなくなったところに、前線へと走りこんだキューウェルがアーリークロスを頭で決め、長く苦しい試合の決着がようやくこれで決まった。
これで準決勝の1つのカードが、オーストラリア対ウズベキスタンに決まったわけだが、おそらくオーストラリアはそこでも固いサッカーを貫いて勝ち上がってくるのだろう。そして日本の相手は韓国。イラン戦でも中盤のプレッシングで相手を圧倒していたようで、ここまでのチーム完成度を見る限りでは韓国のほうが一枚上手であるのは確かだろうが、韓国・オーストラリアと宿敵を両方倒して優勝を勝ちとってもらいたいものだ。