「土俵際でのうっちゃり2回」アジアカップ2011 準々決勝 日本-カタール(3-2)

開催国のカタールと対戦する準々決勝。日本のスタメンは、前の試合から本田と川島が復帰し、右SBには伊野波が入る完全に予想通りの布陣。
日本は、サウジ相手に大勝したのを受けてどうリズムが変わるかと思ったのだが、前半のプレイはヨルダン戦に負けず劣らずの動きの悪さで、自陣に固くゾーンを引いて、中盤の選手に対して早いチェックをかけてくるカタールの前に、日本は足元だけでパスを回すかったるいパス回ししかする事が出来ない。
イーブンでの争いはほとんどカタールのほうにファールを取られてしまうが、日本の選手が体を当てられてもまずファールを取ってもらえないので、日本の選手がその空気を感じ取って慎重になっていた事を差し引いても、あまりに鈍い立ち上がりであった。
対するカタールは、セバスチャンに対してボールを集め、そこにボールが入ったら他の選手全員が縦に動く狙いが徹底されていて、足を止めたサッカーしか出来ない日本のミスを拾って良いリズムを作り始めると、12分に日本がラインを上げたところで伊野波がそれに遅れてしまい、完全に裏へと抜けたセバスチャンが吉田の甘い対応を利して彼の股間を抜くシュートを放つと、川島も意表を突かれたのか反応が遅れ、日本がまさかの先制点を奪われてしまう。
しかし、日本はこの大会で救世主となっている岡崎が、28分に本田からのワンタッチパスをオフサイドラインからぎりぎりでの飛び出しで受け、サウジ戦のリプレイのようなロブをゴールへと上げると、そこに突っ込んだ香川がボールを押しこんで日本はラッキーな同点ゴールを挙げる。
日本はそのまま良いリズムを続けて、これは後半には期待できるかなと思ったのだが、のっけからセバスチャンへのロングボールからFKを与えてしまって嫌な空気に。そして、セバスチャンとの1対1で劣勢に立たされていた吉田が、16分にとうとう竸って倒れたところから立ち上がって相手の体に当たったのをファールに取られてしまい、2枚目のイエローで退場に。
しかもそこからのFKで壁が1枚しか立ってなかったところで、ニアに直接飛んできたボールを川島が予測を外してゴールの中で触ってしまい、日本は痛恨の2点目を与えてしまう。
これで大会2度目の絶体絶命に追い込まれた日本だったが、ここでようやく眠れる獅子の香川が目を覚ます。25分に、本田の縦パスを受けた岡崎から香川にボールが渡り、香川は落ち着いてGKの動きを確かめて浮き球のシュートを決め、日本は10人から執念で同点に追いつく。
ここからどちらも運動量が落ちてカタールはひたすらロングボールを前線に放り込む展開となり、日本は選手交代をしていないのもあって前の方にダイナミズムが足らず、セカンドボールをなかなか拾えず厳しい展開が続いたが、44分に長谷部の強いパスを絶妙のタッチで受けた香川が、GKまで交わしたところで倒され、そこで既にPKもののプレイではあったがこぼれ球を伊野波が押しこんで、日本が値千金の勝ち越しゴールを奪い、後は最後まで何とか凌ぎ切って、土壇場でのうっちゃりを決めた日本がベスト4へと駒を進めた。
確かに劇的と言うしか無い勝利で、ムード的には最高の試合ではあったが、日本の失点は全て自分達のミスによるもので、得点も綺麗にパスをつないででは無く、とにかく武骨に前へと預けたボールが日本のほうに転がって決定的につながったものであり、最初からリスクを恐れずに縦へ速く攻めていれば、もっと日本のチャンスは増えていたはずである。
とにかく、これから優勝を狙っていく上でまだまだ課題は多い。吉田は対人経験の低さを露呈してしまったし、伊野波も決勝点はゲットしたが攻守にミスが多く、本田は最終的には得点にからむプレイをしたとは言え、トップ下としての働きはほとんど出来てなかったに等しい。チームとしても足元だけのパスはもちろん、サイドチェンジもほどんどまともに出来ず、SBはほぼ守備でしか働いておらず、攻撃のスピードアップは相手のミスからしかのみだったことは大いに反省材料である。
その辺は若いチームであるがゆえの部分は大きいとは思うが、アジアではどこもこういう戦い方を日本に対して仕掛けてくるのは分かっているだけに、ヨルダン・シリアと同じような内容・結果である事は非常にいただけない。こんな状態では、次に来るのが韓国だろうとイランだろうと負ける確率が高いことは疑いようがない。まずは自分たちを信じて11人が一つになって戦えるチームに仕上げてもらいたいところである。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする