来年の日本代表を占うキーワードは?

欧州リーグはクリスマス休暇に突入し、天皇杯も25日まで試合が無いとあって、サッカーファン的には今が最も暇な時期ですよね(笑)。
なので、昨日はスカパーフジでやっていた「サッカー日本代表TV」を見ていました。
内容的には、ほぼ男女で金メダルを獲得したアジア大会の話がメインで、U-21代表の関塚監督と、なでしこジャパンの佐々木則夫監督が出演しておられました。
アジア大会男子には、候補として挙げた50人ほどの選手の中からリーグのチーム事情などで30人しか呼べず、そこから最終登録の21人を選んだ苦しい台所事情とかの話もあったのですが、チーム作りの目標として「バランス」を挙げていた事が興味深かったですね。
今までのユース世代代表と言えば、一応は「世界に通用するチーム作り」というお題目を皆掲げてはいたのですが、実際には「自分たちのサッカー」とやらを実現する事にいっぱいいっぱいで、それがいざ本当に世界と対戦してみると、相手のプレスや劣悪なピッチの中では全く通用しないガラパゴスサッカー、というパターンがほとんどでした。
そうなる理由としては当然いろんな要素があるのでしょうが、一つのポイントとしては、チーム作りのベースにしようとしていたコンセプトが無かった、もしくは羊頭狗肉に過ぎなかったという事があるかと思います。
しかし、現代サッカーのベースと言えば、まずどんな戦法であっても選手同士の距離が近い、つまりコンパクトな陣形を維持できるかどうかが必須であって、岡田ジャパンも結局守備を固めてコンパクトにしたからこそ結果が出せたわけなんですよね。
特に日本の場合はフィジカルが弱くて、中長距離のパスが筋力の問題で不正確になりがちなだけに、選手間の距離を詰める事が攻守において短所を消すために必然になるわけですよ。
日本女子の場合は、男子よりさらに世界との体格差が大きいので、何はさておいてもコンパクトネスが第一にならざるを得ず、それが自然と強化の継続と一貫性につながって、北京やU-17での好結果につながったと言えます。
ところが男子は、創造性だとか自由だとか、接近展開なんちゃらという変なお題目を掲げたりで、コンパクトさを謳いながらも全然コンパクトじゃなかったサッカーばかりだったのが、W杯からザック・関塚ジャパンにかけて、ようやく自分たちの足元をまともに見られるようになったような気がします。
ま、コンパクトサッカーと言っても、ただ戦術練習が完璧なだけではダメで、W杯での本田やアジア大会での永井、女子なら澤、岩渕、横山といったボールを失わない選手がいてこそ実現できるものであって、そういう選手をこれからどれだけ輩出できるかが、来年の日本の成績を占うポイントになるような気がします。