「ようやく地力がついてきたシャルケ」ドイツ・ブンデスリーガ第16節 マインツ-シャルケ04(0-1)

最近は徐々に順位が下がりつつあるとは言え、まだリーグ4位につけているマインツとの試合は、アウェイのシャルケがしぶとく勝利を飾った。
試合は最初から激しい攻防が繰り返され、シャルケは7分にPAの外側でドリブルで突進したファルファンが倒されたように見えたが、審判の判定はPK。しかしこのPKをフンテラールがポストに当ててしまいゴールならず。
これでマインツのほうに勢いが出てしまい、シャルケは自慢の内田のビルドアップもカットされる場面が多くて攻撃がなかなか組み立てられない。が、30分にカウンター気味のチャンスから左サイドをシュミッツが突破、クロスに合わせたフラドのシュートはラウルの背中に当たってしまうが、こぼれ球をファルファンが押し込んでシャルケが一瞬のチャンスをものにしてしまう。
その後もトップに速くボールを当ててサイドが積極的にフォローで上がるマインツの激しい攻めは続き、シャルケは前半のうちにフラドに代えてサイドアタッカーのエドゥを投入し、内田のサイドにもクルーゲがスペースにオーバーラップするなどサイドの基点を強化して対抗する。
シャルケの策に対してこう着状態に陥りかけていたマインツは、60分に一挙3人の交代で流れをひっくり返しにかかると、71分にメッツェルダーのミスからサライが倒されマインツがPKゲット。しかし、今度はノイアーが素晴らしい読みでPKを弾き、シャルケが絶体絶命のピンチをしのぐ。
マインツはその後も攻勢を続けるものの、運動量が落ち始めたのか内田のオーバーラップも少し見られるようになり、互いに散発的なチャンスは作るが得点には至らず、このまま0-1でシャルケが逃げ切った。
内田にとっては非常に厳しい試合で、相手が常にサイドのスペースに人をかけていたために、いつもは通る縦パスもうまく通らず、ファルファンがボールを持ってもオーバーラップするタイミングやスペースが無く、守備でも動き出しの早い相手にマークの判断が遅れがちになり、後手を踏む場面が多かった印象。それでも、この試合はシャルケの守備連携が良くて、特にクルーゲのフォローが良く効いていた。
依然としてシャルケはノイアー様様ではあるが、こういう厳しい試合をものに出来た事は、チームにちゃんと地力がついてきた証拠である。内田はアジアカップで抜ける公算が高いが、ラウルやフンテラールが抜けない限りは再びスランプに舞い戻る事は無いんじゃないかと思うが、果たしてどうだろうか。