「静かな情熱家」スカパー特番【ザッケローニの素顔に迫る~カルチョの視線】

昨日は頭痛のすったもんだですっかりCLの録画をするのを忘れていて、録画してあったスカパーのザッケローニインタビュー特番「ザッケローニの素顔に迫る~カルチョの視線」を見ておりました。
さすがに全文をここに掲載するわけにはいかないので、個人的に気になったポイントについて、感想を書いてみることにします。
 
◆プロを目指すのは17歳で断念
母親の腹の中からサッカーをしていたと語るぐらいカルチョ狂のザックですが、ホテル業を営む父親からは反対されていて、16歳までちゃんとしたコーチングを受けることなく、17歳で肺の病のためにプロになるのをあきらめ、後はアマチュアとしてプレーしていたというのは意外でしたね。そのユースにいた短い間は、SBやCBをやっていたそうです。
◆まずはユースの指導者からスタート
アマチュア時代からフォーメーションや人選を考えていたザックが、その後監督の道を歩むのは当然ではあるのですが、チェゼナティコのトップチームが降格しそうになると途中から就任してチームを2度残留させ、またユース監督に戻って行ったという話しを聞くと、根っから若い選手を育てることが好きなんだなという気がします。
◆3-4-3はクライフ・バルサからヒント
ザックは前線に3人の選手を置く攻撃的な戦術を模索していて、その大きなヒントになったのが、中盤ひし形の3-4-3を取っていたクライフ監督時代のバルサだったそうです。ザックは、クライフバルサから中盤をフラットな4枚にアレンジしてウディネーゼに適用したそうですが、実際に完成の域に至るまでに1年半の時間がかかったと言ってましたね。
◆戦術は選手に合わせる
ザックと言えば3-4-3で、ミラン自体にも同じ戦術で行こうとして会長のベルルスコーニと対立した事は知られていますが、本人は必ずしもそれに固執する気はなくて、戦術は選手に合わせるものという意味の話をしていました。実際に今の代表は4バックですし、あれからザック自身が丸くなったのか勉強したのかは分かりませんが、単なる戦術押し付けタイプでない事は確かなようです。
◆原さんの電話で予感がした
原さんから電話をもらった時、代表監督のオファーだなと直感して自分の中で即座に「Yes」の答えが出てたと語ってましたが、まあどこまで本心かは分かりませんが、最初からやる気があったというのは嬉しいですよね。
◆「バランスと勇気」
サッカーは人生と言ってはばからず、クリスマス休暇も取らずに日本で視察を繰り返し、「サッカーではリスクをかけないといけない」と、行動も言葉もオシムのような熱意を感じはするのですが、表向きはあくまでソフトで冷静なザック。「バランスと勇気」というのが好きな言葉らしいですが、勇気よりもまずバランスが先に来るのがザックらしいところです。
 
個人的には、偏見と無知でがんじがらめのマスコミや、既得権益にまみれた協会・代理店・スポンサーの利権集団を打ち破る、トルシエやオシムような狂気や迫力を外国人監督には期待してしまうので、情熱を内に秘めたタイプのザックはちょっと大丈夫かなと思ってしまうのですが、果たしてどうなんでしょうか。
ザックジャパンのスタートは好調で、今のところはどこからも不満が出ていない状態ではありますが、日本にとってのシーズンオフで海外組の召集も不透明なアジアカップで、成績が低迷してしまったときの手のひら返しが逆に怖いところですよね。
アジアカップでノルマを設定するのはナンセンスだし、当然小倉会長もそれは否定しているようですが、原さんだけにフォローをまかせるのではなくて、協会全体でバックアップする姿勢を一貫してもらいところですな!