「神戸奇跡の逆転残留!そして東京は・・・」J1第34節 浦和レッズ-ヴィッセル神戸(4-0)

J1最終節の残留をかけた争いは、神戸が浦和とアウェイで対戦、勝ち点1差でリードするFC東京は降格が決まった京都と、明らかに東京有利のカードになったが、まさかまさかの結果が訪れてしまった。
浦和との対戦となった神戸は、コンパクトで出足の鋭い守備から縦に速い攻撃で、全員のモチベーションの高さを非常に感じさせるサッカーを見せるが、浦和も徐々にパスをつないで神戸の勢いをいなし始め、前半は一進一退の攻防となった。
ここでポイントとなったのは、CB山田の出場停止のためにボランチで起用されていた濱田をフィンケが使った事。
前半31分に、ロングボールを濱田が目測を誤って後逸、これを吉田考が拾ってゴールへと落ち着いて流し込み、神戸が待望の先制点をゲットする。さらに後半4分には、PA内で吉田考が切り替えしたところをまたも濱田が倒してしまいPKを与えてしまった。
これで流れは完全に神戸のものとなってしまい、浦和はたまらず濱田を下げて堀之内を投入したが、集中力が切れてしまった浦和はその後も失点を積み重ね、終わってみれば何と0-4という大差の結果になり、裏の試合でFC東京が京都に0-2で破れたために、神戸が奇跡のJ1逆転残留を果たした。
やはりサッカーでは、個々の選手の能力よりも、いかにチームが一丸となって戦えるかが大切であり、残留をかけて全員が労を惜しまず最後まで集中して走りきった神戸と、監督やポンテの退任が既に決定し、不慣れなポジションで若い選手を使った浦和とでは、戦う前から勝負が決まっていたのかもしれない。
しかし神戸も、この試合では後半早々にパク・カンジョを筆頭に7km以上も走る距離を記録するという素晴らしい内容と結果を見せはしたものの、毎年残留争いをしてしまう原因は必ずあるはずで、これで今年もやれやれと思っていたら来年は確実に京都と同じ運命になってしまうだろう。フロントの根本的な意識改革を三木谷氏には考えてもらいたい。