2018年はロシア、2022年はカタール!

しかしオイルマネーの実弾強し、でしたなあ。
各国プレゼンの質でいろいろ紛糾はしましたけど、結局票の流れを見ても、事前のロビー活動こそが全てという明白な結果が出てしまいました。日本が韓国より先に脱落したのもそれが原因でしょう。最初の投票で脱落したイングランドは、BBCを恨むしかないですな(苦笑)。
まあ、FIFAにしてみたら、南アフリカW杯で環境の不備に対する懸念をクリア出来てしまったと言う自信が、ロシアとカタールというリスクの高い、しかし金を持っている新興国に対して開催を決定する後押しになったんでしょう。
特にカタールについては、もちろん最終的にはオイルマネーがものを言ったことは確かでしょうが、それに加えて予想以上に、イスラム圏での開催という部分に中東や北西アフリカ諸国の支持が集まったのは確かでしょうし、ブラッター会長的にも彼らの票が必要だったのではないかと。
特にドバイショックはカタールのおかげで持ち直したようなものですし、事実上中東経済を牛耳っているカタールが、オイルマネーによる投資を引き上げるポーズを取っただけで真っ青になってしまう国は両手では足りないでしょう。
スポンサーと観客が望むアルコールへの配慮については、一時的に国内の戒律を緩めるか、比較的規制が緩いバーレーンやドバイといった周辺アラブ国の協力を仰ぐ事も考えられるのではないでしょうか。
一方、2022年の本命だったアメリカの敗因については、リーマンショックの影響が大きいのかなと思いました。確かにスポンサーマネーや動員という表の金の部分でアメリカの力は図抜けていますが、例のFIFA理事買収事件の話を見ていても、FIFA全体を肥やす事よりもまずは自分たちの事業に直接の「肥料」を与える事が優先され、アメリカはそのための十分な裏金を捻出する余力に欠けていたのは確かでしょう。
結局、FIFA的には現時点でのマネーよりも、将来的なマーケティングの拡大、そしてブラッター会長の支持層の拡大という面で、単に既得権益をスケールアップするだけのアメリカではなく、より新たな利権を作るための開拓を選んだというところなんでしょうか。
さて、当面の注目はこれから2カ国が開催時期や施設の面で、これからどれだけFIFAの要望にこたえることが出来るかという部分になるでしょうが、それも回りまわって世界最大の利権集団でもあるFIFAの利益につながるでしょうから、前回の南アフリカで想像以上にFIFAがおいしい思いをしていたのかもしれませんね。