「迷走から抜け出したフランス、抜け出せないイングランド」国際親善試合 イングランド-フランス(1-2)

点差こそ最少得点差ではあったが、イングランドはホームでの試合とは思えないほど不出来な醜態をサポーターの前に晒してしまった上に、ジェラードがハムストリングの怪我を負ってしまうという踏んだり蹴ったりの1日になってしまった。
ルーニーを始めとして怪我人続出のイングランドは、キャロルの1トップにミルナー、ジェラード、ウォルコットを2列目に並べる形のスタートになったが、試合開始直後こそフランスを出足で圧倒したものの、ファーディナンドとレスコットのCB陣がベンゼマやマルダの足技に翻弄されると一気にポジションを後ろに下げてしまい、マイボールの時でも自陣の半分のところまでしかラインが上げられず、そこから一気に中盤をフランスに支配される羽目に陥った。
しかも、CBがはるか後ろに残っているのでCHが良い形でボールをもらえず、バリーなどはDFからボールをもらってもバックパスをするばかりで、しびれを切らせたジェラードが後ろに下がるとそこからサイドチェンジのパスが出て来るのだが、当然フランスもサイドはしっかりとケアをしており、ミルナーはともかくウォルコットはボールをサイドの高い位置で受けてなんぼの選手なので、試合にほとんど関与する事が出来ていなかった。
そんな状態ながら、1トップのキャロルは白人の大柄な体格に似合わない柔らかさでポストプレイを何とかこなしていたが、ジェラードとの距離が離れて孤立気味で、せっかくの健闘が生かされる場面が無かった。
フランスは、中盤の両サイドに入ったナスリとグルキュフがバイタルエリアで楽々とボールを持っては高いテクニックで前線の3人へとボールを供給し、ヴァルブエナやベンゼマはイングランドCBの両側にすっぽり空いたスペースを使って何度もイングランドゴールへと攻め込み、得点こそ16分と55分に入れた2点に終わったが、決定的な場面の数ではイングランドを圧倒していた。W杯以降はしばらく迷走が続いていたが、これでようやくナスリとグルキュフを中心としたチーム作りの基礎が見えてきたのではないだろうか。
イングランドは後半から新しい選手をどんどん投入し、セットプレイからクラウチが長い足のリーチを活かして1点を返したが、フランスが疲れてプレスがかからなくなってからの攻勢からであり、既に2点を先行されていた事を考えるとお世辞にも喜べるような展開ではなく、ファーディナンドやジェラード、ランパードに代わるCHやCBの世代交代という意味でも、大きな課題が残る試合だったように思う。

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