「冴えない日本人ダービー」ドイツ・ブンデスリーガ第12節 ヴォルフスブルク-シャルケ04(2-2)

2試合連続で失点に絡んだ後、めっきり出番が無くなってしまっていた長谷部は、リーターの欠場もあって先発に復帰。シャルケの内田も先発したので日本人ダービーが実現した。
が、そんな浮かれ気分には到底なれないぐらい、両チームが現在沈んでいる順位に相応しい冴えない内容の試合になってしまった。
ヴォルフスブルクは、11分にCKからグラフィチのヘディング、33分には左サイドからの低いクロスをDFの前に飛び込んだジェコが合わせて2点をさっくり取ったものの、39分にはファルファンのクロスが流れたところを逆サイドから飛び込んだエドゥに押し込まれて1点差で前半を終了すると、後半は完全にシャルケのペースになって、どっちがホームか分からない勢いで攻め立てられてしまう。
どうもプレミアリーグと言うか、英国人の監督は試合を「殺す」事があまり上手でない印象があるが、ヴォルフスブルクのマクラーレン監督もその例に漏れず、相手ボールになったら全く前からプレスがかからずに中盤から後ろがずるずる下がってしまう状態になっているのに、78分まで選手交代をせずに悪いリズムのまま引っ張り、75分にフンテラールのハンドトラップゴール(笑)を決められてから、ジエゴとグラフィチを下げる謎采配ぶりだった。
この交代でジエゴが下がるときに、監督に向かってクルクルパーのジェスチャーをやっているのが見えたが、審判のハンド見逃しに対してのものかもしれないが、監督の采配に対してであってもおかしくないなと思ってしまった。
前線から全員が守備に走るボルシア・ドルトムントと比べると、ジェコ・グラフィチ・ジエゴはタレントで勝っても守備力で大きく劣るのは確かであり、彼らのコンビが向上して前でボールが保持できるようにならないと、このチーム体制のままではこれからの浮上は厳しいだろう。
長谷部については、試合終了間際にFKを蹴って、それがあとわずかでゴールになりそうな精度だったのには驚いたが、90分出場とは言え後半はかなりお疲れの様子で、まだコンディションや試合感覚が向上していない様子。まあプライベートもいろいろあるんだろうが、代表とは相性がいいだけに、アジアカップでうまく切り替えて欲しいところだ。
内田については、この試合ではシャルケが後手に回ったこともあってファルファンが突っかけて行くパターンが多くなり、中盤もヴォルフスブルクのプレスの前に前半からミスが多いのもあって、ザンクトパウリ戦ほどの攻撃参加回数は無かったが、プレイした時は無難にまとめていたように思う。
今回も審判のアシストがあったとは言え引き分けを拾えたし、ヴォルフスブルクとは違ってチーム状態も運も徐々に上向きなので、さすがにCLは無理としてもこっちはまだまだ浮上の希望はありそうだ。