「香川復活ののろし」ドイツ・ブンデスリーガ第11節 ハノーファー96-ボルシア・ドルトムント(0-4)

ここまで6位と好調なハノーファー相手のアウェイ戦だったが、現在アウェイで5連勝中のドルトムントが、ここでも勝負強さを発揮して0-4の快勝を飾った。
その先陣を切ったのが香川のゴールで、前半10分にややオフサイド気味ではあったが右サイドで縦パスを受けると、中へと細かくドリブルしつつGKのブラインドから逆方向へと放つメッシばりのシュートを決めてしまう。
その直後にも香川が2度のチャンスをもらったが得点できず、そこからハノーファーは縦へのプレッシングを強めてドルトムントはなかなか余裕を持ったパス回しが出来なくなるが、中盤のプレスさえ抜ければマークが甘いので香川がボールを持てる場面が多くてリズムを作っていたし、たとえボールを失っても全員が忠実に守備へと戻る組織が崩れないので、ハノーファーにもなかなか得点機が訪れない。
後半になると、さらにハノーファーは攻撃にかける人数を増やして厚みを増し、ドルトムントも受けに回ったせいかDFラインが下がってしまい、至近距離から2度ほど危ないシュートを打たれるがGKヴァイデンフェラーがしっかり弾いて得点を許さない。
そして71分に、ドルトムントはサヒンの展開パスから早いクロス、それをバリオスがDFから一瞬早く抜け出して足先でゴールと、絵に描いたようなカウンターが決まってドルトムントが2点目を決め、77分には倒れて痛がっているブワシチコフスキを、ハギが何とPA内で報復行為をやってしまい、一発レッド+PKという珍しいシーンまで作るという踏んだり蹴ったりのハノーファー。
そのPKはサヒンがミスをして得点にはならなかったが、そこから交代で入ったブワシチコフスキとレヴァンドフスキのいつまで経っても名前を覚えられないポーランドコンビが得点を重ねて試合終了。ハノーファーの自滅も多分にあったけど、それ以上にドルトムントの勝負強さが際立っていた内容だった。
香川については、前節は疲労からか自分からはあまり動かない地蔵スタイルになってしまっていたけど、この試合では体調が回復したようで、終始2トップのように高い位置取りでパスを引き出し、積極的にドリブルを仕掛けるプレイがよみがえって一安心。チームメイトとの連携も取れてきたようで、サヒンからのパスも良くもらえるようになって来た。
ただ、あえて課題を挙げるとすればクロスの制度。この試合でも何度かサイドのスペースを使うシーンがあったのだけど、クロスはどれも残念な結果に終わってしまっていた。ちょっと置きに行ってる感じもするので、もっと速くてGKが飛び出せないクロスを狙って欲しいところだね。