「王者としての意地」J1第29節 鹿島アントラーズ-名古屋グランパス(1-0)

ここまで勝ち点差11と、この試合でもし鹿島が負けると限りなく名古屋の優勝が決まっていた大一番だったが、鹿島が昨年王者としての意地を見せて土俵際で粘りを見せた形になった。
前半は、当然ながら勝たなければいけないホームの鹿島が押し気味に試合を進めるが、名古屋もケネディを基点に小川らが絡んで度々危険なカウンターを繰り出し、一度はPKになった(後にFKと訂正)判定のプレイもあったりしたが、互いに得点は取れないままに前半を終了する。
後半になると、鹿島は怪我をしたフェリペに代えて遠藤を投入するが、これが鹿島にとっては意外に効果的な一手となった。
それまで鹿島は、攻め急いでは確率の低いミドルシュートを打つだけの単調さが目立っていたのだが、遠藤が中盤でボールを落ち着かせる事によって名古屋の守備が徐々に押し下げられて、鹿島のサイドチェンジが活きるようになり、名古屋は前の3人が後ろから離れて孤立し始める。
それでも、名古屋は広い中盤をダニウソンが走り回って鹿島の攻撃を何とか防いでいたのだが、13分に楢崎のスローイングミスをジウトンがカット、最後はマルキーニョスが1トラップから強烈なミドルをゴール隅に叩き込み、とうとう鹿島が先制する。
その後は早くも名古屋はパワープレイ気味の攻撃にシフトするが、ケネディとダニウソンというセンターラインを鹿島にうまく押さえられてボールがスムーズに回ってくれず、攻撃はギクシャクしたまま。
30分には闘莉王をトップ下へと投入し、名古屋は最後の手段を行使するが、試合終了間際のフリーで飛び込んだ小川のヘッドは枠をはずれ、名古屋はここで万事休す。鹿島が何とか優勝の望みをつなげる勝ち点3をゲットした。
名古屋はケネディとダニウソンが抑えられる前はそれなりにサイド攻撃から良い場面を作りかけていたのだけれど、シュートに至る前にトラップやパスのミスでフイにしてしまう事が多く、結果的に最後までリズムに乗ることが出来なかった。次は下位の大宮戦とはいえ、相手は残留争い真っ只中で必死、しかもケネディは累積で出場停止と到底安心できる状況ではない。
もし次で勝ち点3がまた縮まってしまうと、勝ち点差は5となって2つの勝敗で追いつく状況になってしまい、相当なプレッシャーがかかるようになってしまう。名古屋にとっては優勝を狙う上で、次が本当の意味での天王山と思って気を引き締めておく必要があるだろう。
鹿島は、久々に王者らしい隙の無いサッカーを見せてくれた。まあ、これだけ内容で名古屋を上回っていても結局マルキーニョスの1点で終わってしまっているのが今年の躓きになっているわけで、実際はここから名古屋に追いつくのは相当厳しいだろうけど、今年に限らずこの勢いを忘れずに、新陳代謝しながら持続して行けるかどうかだね。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする