「やっぱりピッポは千両役者」 欧州CLグループG ACミラン-レアル・マドリード(2-2)

サンチャゴ・ベルナベウでのアウェイ戦で、文字通り完膚なきまでに叩きのめされたミランが、どう雪辱してくるのかと思ったら、先発はロナウジーニョ、イブラヒモビッチ、パトの守らない3トップで、最初はやけくそではないかと思ってしまった(笑)。
ところが、ミランの守備は対人に強いチアゴ・シウバが入った事でがらりと変わり、DFラインを思い切って高く上げた守備で3トップとの距離がコンパクトに保たれ、とにかく早いタイミングで彼らにボールを渡す事で、前さえ向けば仕事が出来るロナウジーニョも久々に生き生きとしたプレイを見せ、豊富な運動量で前後をリンクするボアテングの働きもあって、それなりにレアルに対抗が出来ていた。
とは言え、攻守の切り替えと運動量で上回るレアルが、自由にポジションチェンジをしながら短いパスを通す事で遅攻でも強さを見せ、チャンスの量でもミランを上回り始めると、前半終了間際にオフサイドラインをうまく潜り抜けたイグアインにディマリアからのスルーパスが通り、コースに流し込んでレアルが先制する。
後半になると早くもロナウジーニョがガス欠し(笑)、DFラインもあまり上げられなくなってミランは全く抵抗が出来なくなり、インザーギを投入しても彼にまでほとんどボールが渡らず、完全にミランが敗色濃厚になったと思った68分に、ロングボールを受けようとしたイブラヒモビッチをカバーしたぺぺが滑ってしまい、イブラヒモビッチのクロスも足が滑ったせいで、カシージャスが目測を誤ってファンブル、そこに誰よりも早く飛び込んできたのがインザーギ!
さらに10分後には、どう見てもオフサイドなのに審判が旗を揚げず、相手と交錯しながら転がったボールがレアルゴールに吸い込まれ、何か悪魔が取り付いたとしか思えないドッピエッタを決めてしまうのだから、そりゃモウリーニョが恐れるわけである。
そこからはミランがなりふり構わぬ中東戦法で時間を潰しまくるが、ロスタイムに交代で入ったレアルのレオンにGKアッビアーティの股を抜かれるゴールを決められ、結局試合はドローで終了。
まあピッポの魔力が凄かったとは言え、あのオフサイドでレアルが敗戦ってのはさすがに判官びいきの私でもちょっとなあと思ったので、この引き分けは妥当なところだろう。つーか、最初からピッポを使ってればもうちょっとグループで楽な戦い方が出来たのではと思うのは私だけだろうか(笑)。
レアルが強いのは間違いないし、ミランが決勝トーナメントに残れたとしても優勝の目は限りなく少ないとは思うが、こういう前時代的なチームが消え去って、CL全部がモウリーニョコピーみたいなチームになってしまうのも面白くないので、まだまだミランには頑張ってもらわないとね。