「浮上のきっかけは遠く」ドイツ・ブンデスリーガ第8節 シャルケ04-シュツットガルト(2-2)

ともに大きく出遅れてリーグで下位に低迷している同士の対戦だが、シュツットガルトはグロス監督を更迭してケラーコーチを昇格させたのに対し、シャルケはマガト監督が続投する事になった。
しかしシャルケの不安定ぶりは相変わらずのままで、ボランチから後ろの選手はボールだけを見ていて選手を捕まえられず、2列目からやすやすと飛び出されて簡単にゴール前でフリーにさせてしまうし、ゾーンで守っているセットプレイも度々どフリーで頭に当てられてしまう有様。
内田は同サイドの右ウイングに入ったエドゥーにボールが入ると必ず攻め上がる積極さを見せていたが、エドゥーにはあまりサイドを使おうという意識が無くてボールがなかなかもらえず、たまにパスが来たと思ったらタイミングが悪くてカットされたりで攻撃が機能しているとは言えなかった。
しかも、内田が攻め上がった後でボールを取られる機会が多いために、その位置からマークするのか下がってカバーに入るのかの判断があいまいで、15分にはクロスのカバーに入ったはいいが低いクロスを股間に通され、シュツットガルトに先制点を与えるきっかけを作ってしまった。
それでも、シャルケは29分にセットプレイからエドゥーがダイレクトボレーを決めて同点に追いつき、後半になってようやく内田と味方とのタイミングも合い始めてクロスを前線の狙い通りの場所に上げられるようになったが、今度はフンテラールやラウルがチャンスを得点につなげる事が出来ず、逆に29分には内田とは反対サイドをあっさり破られ、CBのカバーも間に合わずにあっさりと負け越し。
そこからは内田を含めてチーム全体がガタリと運動量が落ちてしまい、シャルケは80分にお情けのようなPKで追いつくのがやっとの体たらく。特にラウルは、後半に何度も決定的なチャンスに絡んでいたが、どれも決められずに首をかしげるシーンが目立ち、シャルケの不調を象徴するかのような低迷ぶりだった。
前にも書いたけどマガトは好きな監督だし、日本人を高く評価している監督だけに応援しているのだけれど、ウインターブレイクまでこの調子だとちょっと続投は厳しいだろうなあ・・・チームもどこが悪いというポイントがはっきりしていないだけに、ズルズル行ってしまう可能性は高いかもしれない。
内田は、1失点目に絡んだのであまり印象は良くないが、日本にいる時よりもパススピードが随分速くなり、この試合でもなかなか精度の高いビルドアップが出来ていて、シャルケの中でも攻撃と言う面では貢献度は高いほうだったように思う。ただし守備はねえ・・・まあ不幸中の幸いで、今はチーム全体が悪すぎて内田個人の悪さが目立たないので(笑)、今のうちにしっかり勉強してもらいたいところだね。