「香川君、一回休み」ドイツ・ブンデスリーガ第5節 ボルシア・ドルトムント-カイザースラウテルン(5-0)

現在勝ち点差2のライバル、カイザースラウテルンとのホームでの対決は、予想外にドルトムントの圧勝で終わった。
試合の序盤は、カイザースラウテルンの激しいプレスからの速攻でドルトムントに反撃の隙を与えず、ドルトムント陣内に押し込んではセットプレイという場面を何度か作ったのだが、運動量に勝るドルトムントに徐々に押し返されると、31分にサヒンのスルーパスからバリオスが抜け出し、GKの股を抜く先制ゴールを決めてしまう。
これでドルトムントは完全にカイザースラウテルンの勢いを上回り、前半終了間際に左から抜け出したグロスクロイツがサヒンからのパスを受け、ファーサイドにミドルシュートを決めて2点目をゲット。そして、後半20分にセットプレイからフンメルスが3点目を決めて、そこで完全に勝負あり。ドルトムント最大の武器である、思い切りの良さと運動量が存分に発揮された内容と結果となった。
香川については、味方が5点も取って、しかも後半25分に香川と交代で入ったレヴァンドフスキが4点目を決めた事で、某所では随分叩かれていたようだが(笑)、そもそも前半は3~4人のDFとボランチが常に香川を視界に入れながら動き、PA付近に来れば誰かがきっちりマークに来る状態で、その中でも決定的なシュートも2度放っていたのだから、得点については彼の日じゃなかったというだけで、働きとしては十分合格点だったと言えるだろう。
前節ではいつでもワンタッチではたくプレイが目に付いていたが、この試合ではミスに終わった事が多かったとは言え、マークされながらも自分でボールをキープして前を向こうとするプレイがあったし、中央でクレクレするだけじゃなくてサイドに流れて起点になろうとする動きもあった事は、一歩前進と言える。
ただ、やっぱりマークを逃れて後ろに下がって来たり、一瞬バイタルでフリーになるタイミングがあっても、なかなか味方からボールがもらえないのはもったいないなと思ってしまう。サヒンも、まずは遠くを見てゴールに近い位置へとミドルパスを出すことが好きな選手だし、基本的に左足しか使えないので、香川と短いパス交換をしながら、というプレイが難しいのだろう。
この試合の前半のような縦に早い肉弾サッカーは、中田や中村でさえ、彼らの波に乗れずに流れから浮いてしまう事が多かったが、それに比べればまだ香川はついて行けているほうだと言える。ドルトムントのエースとなるためには、こういう試合の時では、もっともっと動き出しを早くして縦のスピードを自分がさらに引っ張っていく意識を見せるようになって欲しいところだ。