「チーム作り以前の問題」欧州CLグループC マンチェスター・ユナイテッド-レンジャーズ(0-0)

守って守って守り倒す作戦と言うのは、強豪チームと対戦する格下のアウェイチームの常套手段であるが、イタリアならともかく、オールドトラフォードでスコットランドのレンジャーズがそれをやってのけるとは全く思っても見なかった。
つまりはそれだけマンUが悪かったという証拠なのだが、実際、マンUのスタメンは今期初先発が6人いて、前節のエヴァートン戦からも9人が入れ替わるという、完全に次のリヴァプール戦に戦力をシフトした形で臨んできた。
5-4-1と言うよりも9-0-1という形でワントップのミラーだけを前に残し、PAの外側でラインを引くわけでもトラップをかけるわけでもなく、ひたすら自陣内に人の壁を作って守り倒すレンジャーズを攻め立てはするのだが、前線のルーニーもエルナンデスも高さがあるわけじゃないのでクロスはことごとく跳ね返され、ミドルも惜しいコースに飛びはするが決まらずという煮え切らない展開。
こういう相手には、ボールを奪ったらとにかく早く攻め切る攻撃が必要なのだが、これだけメンバーが変わるとワンタッチパスがほとんど見られることは無く、逆にパスミスを連発してしまう始末で、おまけにサイドで頑張っていたバレンシアが転倒した際に足首が明後日の方向を向く大怪我を負ってしまうという踏んだり蹴ったり状態。
最後はギグスやオーウェンを入れて4トップにして攻め立てたが、結局最後までレンジャーズの壁は崩せず、マンUはホームの開幕でドローと言う苦いスタートとなってしまった。
マンUで明るい話題と言えばリオ・ファーディナンドが戻って来た事ぐらいだが、レンジャーズがほとんど攻めて来なかったので、コンディションやスモーリングとのコンビなどのチェックにもならない試合で不安はまだまだ残っている。さすがに最後には帳尻を合わせては来るだろうが、この苦しいシーズン序盤をどう乗り切るか、ファーガソンにとっては悩みが深いところだろう。