「パスだけサッカーの限界」J1第16節 ジュビロ磐田-セレッソ大阪(0-3)

両者ともに4-2-3-1という布陣で、4枚の前線がスペースへと流動的に動いて攻撃するサッカーなのだが、磐田の手段はあくまでパスのみ、対するセレッソはドリブルできる選手を揃えているという部分が大きな結果の差になってしまった試合だった。
試合開始直後こそ、磐田が積極的な押し上げを見せてセレッソを防戦にさせる展開になったが、中盤で互いにプレスがかかった状態になると、パスだけで崩そうとする磐田の場合、どうしてもサイドが詰まると中に戻すというパターンになってしまうので、ボールが中に入った時にミスや相手のカットでボールを失う場面が増え始め、そうなると徐々に周りの選手も前に出る事を躊躇するようになり、それが1トップの前田を孤立させるという悪循環にはまり込んで行ってしまった。
逆にセレッソは、アドリアーノやマルチネスにボールが納まり、乾や家長はスペースがあると確実にドリブルでボールを前に運んでくれるから、フォローする選手が思い切りよく前に出る事ができ、それがさらにパスコースを生む好循環で点を確実に取って行った。
セレッソは香川が抜けてしまったが、乾や家長がしっかりと働き、清武も堅実なプレイを見せて穴を作らなかったのに対し、ジュビロはイ・グノが抜けてボールの収まりどころ、攻撃のアクセントがすっかり無くなってしまったのが大きかったね。ただ、パクチュホの個人技にはキレがあるので、彼を攻撃的な位置に持って来る手もあるんじゃないかと思うのだが・・・
さて、セレッソの次戦は、旧長居球技場・キンチョウスタジアムのこけら落とし、相手は目前のライバルである4位川崎。当然ここで勝ってACL圏内へと弾みをつけたいところだろうが、ここに来て守護神のキム・ジンヒョンが半月板損傷の怪我で離脱。ここで守備の連携に問題が出て敗れるようだと、一気に勢いが落ちかねないので気を引き締めておきたいところだろう。