「10秒の積み重ね」ツール・ド・フランス第12ステージ

昨日予想した通りに、最後のジャラベールの名がつけられた2級山岳で動きがありましたね。
コンタドールがホアキン・ロドリゲスのアタックに反応すると、これにアンディ・シュレックがついて行くことができず、アンディは何とか頂上までに10秒差まで回復することが出来ましたが、その差は結局ゴールまで縮まることはなく、コンタドールはアンディとの総合タイム差を30秒にまで詰めて来ました。
ラスト2ステージ目の個人タイムトライアルは51kmという長丁場なので、1分以内の差はコンタドールにとっては勝ったも同然であることを考えると、これからやって来るピレネーでは、アンディのほうが攻めに行かないといけなくなる立場になりそうですね。
こういう、何でもないように見える10秒が、選手やチームのメンタル、戦略にじわじわと影響を与えていくところが、実に自転車レースの醍醐味ですよねえ。
ともかく、このステージでポイントになったのはやはりアシスト陣の働き。ヴィノクロフはせっかく逃げに出たのに最後の登りでコンタドールを助けられずにちょっとガッカリでしたが、彼の逃げがサクソバンクにプレッシャーを与えられたために、アスタナにとっては怖かったカンチェラーラを最後の登りまでに脱落させたとも言えるわけで、かなり貢献度の高い逃げだったのではないでしょうか。
さて、今晩のステージはピレネーを控えた最後の平坦ステージ。道中は細かいアップダウンがあるので、逃げ選手にとっては大きなチャンスがあります。是非、新城選手に逃げを成功させて欲しいところですな!