「スペインおめでとう!」南アフリカ・ワールドカップ 決勝 オランダ-スペイン(0-1)

確かに力の差はあった。が、オランダは全てのプライドを捨ててスペインにサッカーをさせない事を貫徹し、あと一歩でそれはまんまと成功してしまうところだった。そういう意味では、まさに今大会を象徴するような試合だったとも言えるだろう。
試合開始直後こそ、スペインが持ち前のパスワークでオランダを圧倒したが、その後はイエロー覚悟で厳しく守備をするオランダにボールをなかなか前に運ぶ事ができなくなり、拮抗した展開のままで前半を終了する。
オランダの守備は、マイボールになると2-4-4の形でロッベンがサイドに張って起点を作り、スペインボールになると前の4人がボールにプレッシャーをかけ、後ろの6人が中へと絞ってスペインの中盤を締め上げる形が非常に機能し、スペインはオランダの前線がワイドな位置取りをするためにSBが上がれず、ビジャが孤立してクサビのボールがほとんど入れられないという悪循環に陥っていた。
後半になるとスペインもビジャをサイドに流れさせ、オランダの固い中央の守備を分散させて1対1勝負に持ち込み始め、これが功を奏して良い位置から何度もセットプレイのチャンスを作るのだが、高地ゆえかボールが浮いてことごとく決めきれず、逆に疲れもあってかスペインの守備にも徐々にルーズさが出始めると、後半17分にはスナイデルからDFの裏へ抜けたロッベンにスルーパスが通り、GKカシージャスと1対1になるが、カシージャスが足1本でゴールを防いでしまう。もし、これが決まっていれば試合の行方は大きく変わったのかもしれないが・・・
その後はスペインが交代で入ったヘスス・ナバスにボールを集めて1対1での勝負を仕掛けてオランダを守備に張り付かせるが、今大会決定力不足に悩まされているスペインらしくチャンスを得点に結びつける事ができず、オランダも度々危険なカウンターを見せるが、これまたカシージャスが立ちはだかって得点を許さず、とうとう試合は延長に。
延長に入っていきなりイニエスタのスルーパスに反応したセスクが、GKと1対1になる決定機が訪れたがやっぱり決めきれず、スペインも強引な攻めに頼る傾向になり始め、このままPK戦になれば精神的にオランダが優位に立つかなと思われた延長後半5分に、ハイティンハがDFラインの裏へ抜けようとしたイニエスタを引き倒してしまい、2枚目のイエローで退場してしまう。
そしてとうとう延長後半11分に、カウンターからドリブルで駆け上がったヘスス・ナバスから左へパスが通り、トーレスのクロスが相手のクリアミスになってセスクに渡ってしまい、右サイドを抜け出したイニエスタにパス、これをイニエスタが豪快に蹴りこんでスペインが待ち望んだ得点を挙げる。
オランダは当然パワープレイに持ち込むがスペインのゴールは最後まで割れず、欧州王者のスペインが世界王者の称号も手に入れる完璧な強さを見せつける勝利になった。
いわゆる「汚い」守備を貫いたオランダに対する批判は多いだろうが、それをチーム一丸となってやり続けたチームスピリットと組織力、闘志、スタミナは、やはり世界2位を名乗るだけの素晴らしさがあったように思う。そして言うまでも無く、そのオランダを自分たちのサッカーで貫いて勝ったスペインは、それ以上に見事だった。とにかく、スペインの選手、スタッフ、国民の皆さんおめでとう! そして両国に、良い決勝戦をありがとう!

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする