「王国の自滅」南アフリカ・ワールドカップ 準々決勝 オランダ-ブラジル(2-1)

いや~、しかしサッカーとは本当に恐ろしいスポーツだ。
前半の試合を見て、オランダが勝てると予想した人はオランダサポーター以外にはほとんどいなかったはずだ。それだけ、ブラジルの守備には安定感があってオランダは何も出来ず、逆にブラジルの攻撃スピードにオランダのDFがついて行けず、ブラジルは2点目を決めてオランダに引導を渡すチャンスが何度もあった。
ただ、非常にフェアだった西村主審のジャッジに対してホビーニョが凄い形相で何度も睨みつけるなど、どうも王者らしくないメンタルの乱れは感じたし、それまでは非常に切れていたルイス・ファビアーノがこの試合では全く存在感が無いなど、確かに不安要素は若干感じられた。だがそれにしてもだ・・・
後半になって先制されたオランダが前に出て来てプレスを強め始めると、カウンターが増えるチャンスのはずだったブラジルは、ルイス・ファビアーノやカカー、ホビーニョといった前線の動きが悪くてほとんど基点を作れなくなり、中盤にスペースが空いてそれまで消されていたロッベンやスナイデルが前を向いてボールを持てるようになって来る。
そして後半の8分に、何でもないスナイデルのアーリークロスをフェリペ・メロとGKジュリオ・セーザルが交錯してしまい、メロの頭に当たったボールがブラジルゴールに入ってしまう。
これで生き返ったオランダの動きがブラジルをはるかに凌駕するようになり、逆にブラジルはメンタルが乱れてミスが増え始め、23分にはCKからカイトが頭でそらせたボールを、マークが外れていたスナイデルが頭で押し込み、とうとうオランダがブラジルを逆転する。
さらにブラジルの悪夢は続き、28分にはフェリペ・メロがロッベンと交錯した時に、ボールを奪った後でロッベンを踏みつけてしまい、西村主審は迷わずレッドカード。これでブラジルの運命が決まってしまった。
今大会のブラジルは、固い守備で相手に主導権を渡さないサッカーで勝ち進んできたが、岡田ジャパンと同様に、相手にリードされた時のオプションや戦術に幅が無いという弱点が露呈されてしまい、動きが悪かったルイス・ファビアーノを下げたまではいいが、交代が高さの無いニウマールなど2名のみで、ルシオを上げてパワープレイをするでも無く、ブラジルは王国らしくない淡白さのまま、あっけなく敗戦してしまった。
これでドゥンガ監督には容赦ない罵声と嘲笑が浴びせられるのだろうが、守備を良しとしない事が国是の国で、あえて結果を重視した体制で勝負に出たのだから、気の毒ではあるが仕方ない。岡田監督もカメルーン戦で一歩間違えれば同じ目に合う可能性があっただけに、しばらくほとぼりが醒めるまで日本に滞在して、是非とも岡ちゃんと会談して欲しいね。磐田の監督をやるとかもアリかな(笑)。という冗談はさておき、ここでブラジルが消えてしまうのは本当に残念だ。
オランダは前半を見る限りではどうなる事かと思ったが、よく後半からは勇気を持って前に出て、ブラジルの攻撃を前から遮断する事が出来たと思う。あれでブラジルのペースが崩れて余裕を無くさせたことが勝利へのカギになった。準決勝の相手はウルグアイだが、オランダもブラジルに勝ったと慢心を持ってしまうとこの試合のブラジルと同じ事になってしまう。同じグループで戦った相手だけに、是非とも決勝まで進んでもらいたいところだ。

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