「窮鼠ライオンを噛む」南アフリカ・ワールドカップ グループE 日本-カメルーン(1-0)

オシム、大阪ではサンスポとデイリーの一面が下柳結婚だったので、日本は安泰ですよ(呆)。
さて、オシムも言うとおり、日本が喜んでいいのは今朝までである。我々はまだ何も手にしてはいないし、カメルーンという最もグループの中では組みし易いと思っていた相手に、なりふり構わぬアンチフットボールで何とか勝ち点3をもぎ取り、最低限の結果を出したところに過ぎない。FIFAのサイトのスタッツを見ても日本のシュートは全部で5本、そのうちの全てが枠内シュートという、とてもそれまでと同じチームとは思えないラッキーぶりであった。
それにしても不可解だったのはカメルーンの攻撃を統率していたAソングが日本戦に出てこなかった事である。彼が出場せずに、マクーンという選手が1ボランチの位置で出場したが、同じくFIFAサイトのMatchCastのStatsを見ても、マクーンから一番多くパスが出てるのがエトォに対する7本なのだが、エトォからマクーンへのパスがそれを上回る10本だったのを見ても、いかにエトォに対して良い形でパスが渡っていないかが非常に良く分かる。
さらに、FIFAサイトのReportのほうを見ると、ボールポゼッションマップと言うものが表示されているが、日本の攻撃はほとんど右サイドに偏っており、しかも右サイドの高い位置で12%もプレイできていて、いかに長友がエトォをケアする仕事を完遂していたか、カメルーンの左サイドが穴だったかがはっきりしている。
カメルーンは確かにしょぼかったし、このサッカーで負けていたら全世界から嘲笑を浴びるような結果になりそうだったけれど、おそらくJリーグの誰よりもカメルーンのフィジカルに対してポストプレイで粘りを見せた本田を筆頭に、自分たちが出来る事をきちんとやりきった事に対して、サッカーの神様がご褒美をくれたのではないかと思う。あ、あのへんちくりんなサッカーを捨ててリアリストとしてやっと目覚めた岡ちゃんも一応褒めておかないとね(笑)。
次は言うまでも無くグループ最強のオランダだが、さすがにオランダ相手にはこんなサッカーではまず通用しない。そしてデンマークもカメルーンよりは確実に強い。カメルーン戦では、日本の選手はカウンターでも無理に前には行かず、ひたすら安全策を取っていたが、シュート5本のサッカーではどちらにも勝つことは出来ないだろう。ミスを減らしつつ、なおかつ勇気を持って前に出るサッカーが求められる。
オランダも、3戦目で選手を休ませるために、日本に対しては手抜き無しで試合を決めに来るだろう。日本としては、オランダ相手に勝ち目の無い戦いを挑むよりも、松井・大久保・遠藤あたりを休ませて3戦目に集中する戦略で行きたいところだが、それでグループリーグ敗退になってしまうと、グループリーグの戦略があまり分かってないメディアやライトファンから国賊ものの扱いになってしまうだろうから、岡ちゃんがそこまで腹をくくれるかどうか。ま、多分そういう事はやらないだろうけどね。
まあ、ひとまず日本のワールドカップが4年前のように初戦で終わらなくて本当に良かった。これで、全く盛り上がっていない今の日本も少しは熱くなってくれるはず。そう考えれば、あのジーコジャパンでの情けない屈辱も、日本の経験として糧になっているんだなと感慨深く思ってしまったよ。