「バッソ復権」ジロ・デ・イタリア2010第19、20ステージ

今大会のクライマックスである、19、20と続く頂上ゴールステージでしたが、19ステージで大きな動きがありましたね。
平均勾配10%超えのモンティローロ峠でバッソ、ニバリのリクイガス勢とスカルポーニに対して、エヴァンスやアローヨ、ヴィノクロフといったライバルが遅れ始め、それでも下りで39秒差まで追いついたので、これは最後の登りでまた集団になるのかなと思ったら、逆にバッソらがまた3分の差まで広げてのゴールとなってしまいました。
結局、最後の登りでバッソから遅れた総合争い選手が全て1つの集団にまとまってしまい、その中にアシストが全く含まれていなかったので、互いにけん制が入ってしまったのが原因になったんでしょう。もちろん、誰か調子の良い選手がいれば別だったんでしょうが、全員モンティローロの坂で消耗しており、率先して引っ張れなかったというところでしょうか。
逆にバッソは、下り坂に強くてきつくない登りならバッソを引っ張れるだけの能力を持っているニバリがついていた事で、ちょうど自分の弱みをカバーしてくれるアシストになったのが大きかったですね。バッソとスカルポーニだけでは、これだけの差は付けられなかったでしょう。
20ステージでは、残雪が残るチマ・コッピを含むステージではバッソもあまり無理をせず、最後はエヴァンスのアタックで25秒の差を戻されましたが、2位のアローヨに対してはさらにリードを広げ、大勢はここで決まったと言って良いでしょう。
結局、この2ステージでバッソはアローヨに1分15秒の差をつけてマリアローザを奪取、TTに強いエヴァンスに3分47秒差を付けて、事実上総合優勝を確定させましたね。オペラシオン・プエルトのドーピング問題での出場停止から、ようやく復活といったところでしょうか。逆にエヴァンスは相変わらず見事なシルバーコレクターぶりですが、TTで最後の意地を見せてもらいたいところですな。