「本田の豹変」ロシア・プレミアリーグ ルビン・カザン-CSKAモスクワ(0-1)

ロシアリーグで2位と3位、しかも同勝ち点同士のライバル対決は、CSKAが辛勝してW杯中断期間に入る事となった。
CSKAは、一説によると前節の不出来に監督が怒ったとされるクラシッチがサブになり、その右ウイングには本田が入った。つーか、前節で怒られてしかるべきは本田だと思うんだけど、監督は規律よりもモチベーションを問題にしたのかな?
しかし前半はルビンのプレスが厳しくてなかなか本田にまでボールが渡らず、本田もスピードや細かい足技は無いのでマークでケアされるとクロスを上げられないために、あまり売りの攻撃面でアピールが出来なかった。
しかも、本田とトップ下を争うライバルであるジャゴエフは、ボランチから本田が右ウイングに上がった事で中盤の守備力が安定して守備負担が減り、本田もクラシッチのようにボールを持ちすぎる事が無く、それがかえって持ち前のトラップや反転のスムーズさが活きて、マルク・ゴンサレスのアシストにつながったのはちょっと皮肉だったね。
後半になると、何故か本田が中に絞って突然守備に参加するようになり、惜しいシュートを放ったシーンでも、右サイドの深い位置で守備をしてボールを奪ったところから、サイドの裏のスペースへと抜け出したプレイから起こったものであり、これで本田が「守備に参加する事で自分が活きるスペースが生まれる」という、現代サッカーのセオリーを理解するきっかけになってくれたらいいんだけどね。
とにかく、ジャゴエフが王様であろうと無かろうと、今や明確なトップ下を置く戦術自体が希少価値になりつつある現在、サイドで勝負できるようになるか、ボランチで守備とゲームメイクが出来るようにならないと、上位クラブへ移籍しても出場機会に苦しむ事になるのは確かなので、岡田監督のためじゃなくて、あくまで自分のためにW杯で守備へのトライに励んで欲しいところだよね。