「どっちが金持ち?」ロシア・プレミアリーグ CSKAモスクワ-ゼニト(0-2)

リーグの順位ではCSKAの方が上だが、マネーパワーと言う点ではガスプロムがバックについているゼニトのほうが上回っているのを証明するかのように、全体的なチームの戦力でゼニトのほうが一枚も二枚も上だと思い知らされるような内容と結果だった。
何せ、CSKAモスクワのフォーメーションは、CLで見ていた限りではほとんど採用したことが無い」ギリェルメとネチドの2トップにジャゴエフトップ下、本田が3ボランチの左でアンカーがシェンベラスという、ジーコジャパン並にとりあえずお気に入りの選手が納まるように並べてみましたというラインナップで、当然戦術的な約束事はこれっぽっちも試合からは見えず、終始ローマで名をあげたスパレッティ率いるゼニトにボールを支配されてアップアップのまま2点を入れられてしまいました、という感じだった。
後半になってクラシッチを入れて4-2-3-1の形にして、この試合では全く存在感が無かったジャゴエフを外して本田をトップ下に上げ、アルドニンを入れてからようやく攻守で安定感が出始めたが、もはや時既に遅しという状態だったね。
相手がゼニトやCLクラスになると、ボランチ本田の守備力にも問題が出るし、ジャゴエフトップ下のフィジカルにも問題は出るしで、中村がいた時のセルティック同様に、普段のリーグで通用していたものが、相手が強くなると一気にいろいろなところがおかしくなるのは全世界共通だなと思ってしまう。つーか、アジアの予選を勝ち抜く常連になった極東の島国が現在直面している事だけどね(笑)。
スルツキー監督があまり強固な戦術を駆使する監督ではないし、クラブとしての優先度が本田トップ下よりもジャゴエフ優先なのだから、本田もとりあえずボランチで何とか成長するしか無いわけだが、この試合では守備でのカバーの遅さはもとより、攻撃に切り替わったときのポジショニングの遅さが気になってしまった。
実質的に戦術的にはほぼ放置状態なので、動き出しに躊躇するのは当たり前なのだが、ぶっちゃけ今のままだと思い切りの足らない稲本程度になってしまっている状態なので、監督や他の選手の言う事をただ聞くだけじゃなく、自分の力でチームを牽引するような強引さを見せて欲しいところだし、本田はそれが出来る選手だと思っている。頑張れ。