「アウェイ勝利の重み」ACL2010グループH 山東魯能-サンフレッチェ広島(2-3)

残念ながら、勝ち点で6離されたアデレードと浦項の試合が談合スコアレスドローに終わってしまったおかげで、広島のグループリーグ突破は試合終了を待たずに終了してしまったが、それでも中国アウェイを勝利で飾れたのは、今期の成長を証明する嬉しい結果だったように思う。
とは言え、内容的にはかなりの割合で負けゲームになり得る展開だった。
序盤は、ラインを高くしてハイプレスに来る山東のプレッシャーをうまく交わして活発なフリーランから相手の裏を取る攻撃が機能したものの、佐藤と山崎が決定的な場面を決められずに先制点を挙げられず、徐々に運動量が落ちて無理なパスからボールを失う場面が増え、前半の終わりにこぼれ球を決められて先制を許すところまでは、典型的な内弁慶チームのパターンだった。
後半も、守備時にはべったり引いて固める山東にうろうろと緩くボールを回すだけの、いつもの見慣れた風景が展開される時間が続きはしたが、森崎弟の2列目からの飛び出しにスルーパスが合った得点で同点に追いつくと、そこから山東の反応が遅れるようになって広島が攻撃面で数的優位を作る場面が多くなり、途中出場の李が逆転ゴールに成功。
しかし後半40分に、いつもなら相手やボールを見る前に決め打ちで反応する西川が、その場面のFKでは何故か動かず(笑)、バウンドしたボールがそのままゴールに吸い込まれて再び同点、そして最後は石川からの折り返しに李が合わせて逆転で終わることが出来た。
おそらく、グループリーグ序盤の広島だったら、最初の逸機にアウェイで先制点を食らうとそのままズルズル行ってしまった可能性が高かったと思うが、その後の攻め倦みにも気持ちを切らさず、最後まで走って逆転につなげた結果は、間違いなく今後につながる良い経験になったのではないかと思う。
欲を言えば、アウェイでもミス無く素早くパスを回す広島らしいサッカーが出来るようになって欲しいところではあるが、それは次の浦項相手の3連勝劇で見せてもらいたいところである。