「ザ・メッシ・ショー」欧州CLベスト8第2レグ バルセロナ-アーセナル(4-1)

例えとして挙げるのは極めて不適切だけど、アーセナルがカウンターからベントナーが押し込んだ先制点までは、パスは回せてもクロスは跳ね返され、スペースをきっちり埋める守備にてこずったところまでは、バルサと日本の姿が少しだけかぶって見えた。
が、言うまでも無い事だが、バルサにはメッシがいた。
1点目と2点目の、トップスピードでゴール前まで走りこみながら、自分の前に送られてきたボールを全くミスの無いトラップで正確にシュートを打てる場所にボールを置ける技術もさることながら、3点目の、一見すると甘く見えるループシュートにこそ、背筋が凍る思いをさせられた。
もしあの場面が中村とかだったら、GKのアルムニアはシュートコースを切りながらじっくり待って反応するんだろうけど、そこまで左右に完璧なコースでメッシに強いシュートを決められていただけに、アルムニアもそれほど高くないコースに飛ばされたループシュートに、完全に裏をかかれてしまっていた。それまでの得点と、GKの心理を読んで甘い高さとタイミングでループを放てる、その洞察力と落ち着きには恐怖ですらある。
これが国内組の日本人FWだったら、まずトップスピードの状態でボールを受けたら、トラップミスでタッチラインまでボールを跳ね飛ばすか、ボールの上に乗ってしまってボールだけ置き去りになるかのどっちかだもんなあ・・・
たとえ得点を決めなくても、メッシがボールを持ってスピードに乗ってしまうと、3人ぐらいがアタックに行ってもスイスイと交わしてしまうし、こういう選手が一人でもいれば数的優位とか不利とかをどうするかを考えなくていいから楽だよね(笑)。
さて、バルサの次の相手はCSKAモスクワを楽々と退けたインテル。事実上の決勝になってしまう対戦だが、モウリーニョがメッシに対してどういう策を取って来るのか、実に楽しみである。