「決勝トーナメントへ視界良好」ACL2010グループF 鹿島-全北現代(2-1)

初戦は長春相手に手堅く勝利した鹿島は、最大のライバルである全北との難しいアウェイ戦に臨んだ。
韓国勢のホームと言えば、とにかく長いボールを放り込んで前からガンガンプレスをかけてくるイメージがあるが、全北は珍しく自陣からきっちりとパスをつないで来るチームで、フィジカルプレスに弱い面がある鹿島にとっては、ピッチの滑りやすさもあってミスは多かったが、比較的落ち着いて試合に入る事が出来ていた。
が、全北は守備の戻りと中盤のチェックが早く、鹿島は相手陣内ではなかなかスペースと時間を与えてもらえず、興梠とマルキーニョスのコンビで単発でチャンスは作るものの、SBが上がってもサイドをケアされてボールが渡らないので、完全にペースを握るというところまでは持って行けていなかった。
すると、42分に右サイドから全北にダイレクトパスをつなげられ、攻撃参加してきたエニオへのマークが外れてしまい、あっさりと失点を喫してしまう。
後半になると、今度は全北のほうにペースが移ってしまい、セカンドボールを拾われて何度か決定的なシュートを打たれるが、ACLでは珍しく曽ヶ端が当たっていて(笑)、片腕や足一本でかろうじて相手の追加点を防いでいく。
そう我慢していると何故かサッカーの神様が味方してくれるもので、69分にセットプレイのセカンドボールを拾ったフェリペから、オフサイドラインをくぐって抜け出した中田にクロスが渡り、中田はワントラップを入れてから落ち着いてコースを狙って待望の同点ゴールを決める。
しかし、そこからは鹿島の悪い癖で、一息つきたいがためにスローペースに持っていこうとしてわざとファールをもらいに行ったり、見切ったつもりになった軽いプレイが続くようになって自ら押し込まれる原因を作ってしまう。
そこも相手の拙攻などで何とかしのいだところで、ようやく85分になってからオリヴェイラが動き、ジウトンと遠藤を投入した策が大当たり。ロスタイムに入ったところで右サイドから小笠原が粘って抜け出し、中央に走りこんだ遠藤にスルーパス。遠藤は絶妙のトラップでDFを置き去りにすると、冷静にゴールへ流し込んで値千金の決勝点を決める大殊勲。
いや、とにかくアウェイで先制されながらの逆転勝利にはお見事と言うしかない。これでインドネシアのペルシプラ・ジャヤプラとの2連戦で取りこぼさなければ、グループリーグ突破は堅いところだろう。ま、そういう時に限って苦戦したりするものだし、消化試合をサブ主体で戦って余裕しゃくしゃくで決勝トーナメントをホームで迎えて負けたりするのもサッカーではお約束なので、どういう時でも気を抜かず最後まで集中しておいて欲しいところだね。