「一点突破型サッカーの限界」天皇杯2010決勝 ガンバ大阪-名古屋(4-1)

今日までは酒に漬かりながら箱根駅伝のほうを見ていたので(笑)、ようやく天皇杯レビューのアップを簡単に。
まあ、一言で言えば今シーズンの名古屋の弱点がモロに出てしまった試合だったかなと。
名古屋は4-3-3のフォーメーションで、サイド攻撃を中心としたサッカーをやっているのだが、このフォーメーションの場合は中盤の3人がどこまで1トップのケネディに絡めるかが重要なのだが、DFのラインは低いままでボールの奪いどころが低く、中盤はボールを受けてもガンバのような早いパス出しが出来ず、結局もたもたとボールを回してようやくサイドにボールを回すも、ガンバの守備が揃っているのでなかなかスペースへと飛び込む選手がいないという悪循環を繰り返してしまった。
それでも、一度は現在唯一の絶対武器であるケネディの高さを生かして得点を決め、2点目を決められるチャンスもありはしたのだが、逆に遠藤のスーパードリブルで2点目を奪われてしまうと、交代で投入したのがブルザノビッチと三都主という、疲れた先発メンバーよりも走らない面子だったので(笑)、その後は定石どおりにカウンターから失点を積み重ねてしまった感じだった。
日本代表クラスが4人ずらりと揃っているガンバの中盤と、代表未満が3人の名古屋の中盤では、よほどコンパクトにしないとボールを支配されてしまうのは火を見るより明らかだったが、コンパクトになかなか出来ないのが今期の名古屋を象徴していたように思う。
もし楢崎が絶好調であれば、1点目も2点目も防いでいたかもしれないが、名古屋にとって運の悪い事にこの試合の楢崎は悪い楢崎で、調子が良いときのガンバはJでもなかなか勝てる相手がいないぐらいに強い上に、遠藤が神がかっていたのがさらに名古屋にとっては不運だった。つーか、あれぐらいのプレイが出来るなら代表でもやってくれと(笑)。
名古屋は闘莉王や金崎、ダニルソンなどを獲得する事が決定しているようだが、闘莉王はそもそもラインコントロールが不得意な上に、一番の補強ポイントである中盤センターの力が未知数なのが不安点。金崎が守備に開眼してくれる事を期待するしかないかな。
ガンバは来シーズンも優勝争いをするだろうけど、遠藤・二川の両看板、特に遠藤はW杯後の海外移籍が噂されているだけに、彼らの次をそろそろ考えていかないと、中盤が命のチームだけにあっという間に残留争いをしてしまうようになるかもしれない。特に、宇佐美をちゃんと育ててくれないと困るんだけどねえ。